top画像

top画像

解説

解説

ラベル2

ブログ アーカイブ

連絡フォーム

名前

メール *

メッセージ *

2020年10月6日火曜日

1戸建てかマンションかの選択(入間発)?世帯人員による!

 私はつい最近まで、アルバイトのため25km先のふじみ野市や三芳町方面まで自動車で走っていたが、戸建て住宅ブームは相変わらずだ。次々と空き地に5~6戸の「建築条件付き住宅」が建っていく。片や総務庁の2018年10月の統計によれば空き家が全国平均13.6%もあるという。山梨では21.3%、和歌山では20.3%、そして東京10.6%、埼玉は10位の10.2%・・・埼玉でも約10軒に1軒は空き家なのである。大昔、出販社に務めていたころの後輩は、お父さん、お母さんの実家の建物を相続し、自分たちが建てた家と合わせ3軒の家を持ち、2軒を空き家のままにしている。空き家2軒の固定資産税を払う必要も続く。 

 確かに、1軒屋で子供とともに伸び伸び暮らしたいのは多くの人の夢である。しかし空き家の増加を考えると、必ずしも合理的な発想とはいえない。少子高齢化で、子供さんが独立し、ないしは親御さんが亡くなったばあい、夫婦2人になり、最後は1人になる可能性は高いのだ。 

 私も3軒の戸建てを梯子し、いまは分譲マンションの住人だが、夫婦2人の場合、マンションの方が人の目も多く、かつ鍵一つで外出ができ防犯上安全だ。団地型のマンションであれば、木々の緑も多く、スーパーや商店、散歩する公園等の景観エリアも近くにあり、さらに言えばプライバシーも守りやすいのだ。このことについては後で詳しくふれたい。 

 私の戸建て時と今の世帯人員と間取りを簡単に紹介すると・・・

   東京都杉並区時代 間取り 6K 家族人員 母、子2人、夫婦 計5人

            (絶えず下宿人を置いていたので実質  6人)

   小金井市        4LK      同上        5人

   佐倉市         4LK    母(すぐ死亡)、夫婦 3→2人

   入間市(分譲団地)   3LK                       夫婦   2人

 杉並は親の遺産だが、50年住み老朽化が激しく、建売りの小金井市に移り、バブル期で値上がりし、丸3年で手放し借金を返し佐倉市に移った。が、小金井から移る少し前に娘は結婚、息子は独立しアパートへ移り、一気に世帯人員は3人に。当時は私も1戸建てにあこがれを持っていたため、探しに探し比較的安い千葉県の佐倉市にリビングが吹き抜けの注文住宅を建てた。ところが母が越して数か月後に亡くなっり、4LKに2人である。2部屋分は完全に余ってしまう。当初1年は妻も都内に働きに出ていた。私も車で出歩くのが商売である。夫婦2人が出れば、昼間は丸々空き家同然。前と左右に住宅があるが、隙だらけで「泥棒さん来てください」と言う状態だ。幸い13年ほど住んだ間、盗難はなかったが物騒このうえなかった。 

そして駅からバスで15分ほど。このバスは1日に6本程度で、近くにスーパーがなく、妻が11時にバスで買い物に出ると、1時半くらいにしか家に戻れない。コンサルタントと言う自由業の私は、夜は自宅で仕事をするが、昼はリサーチのため自動車で千葉、東京、埼玉、神奈川、群馬などを飛び回っていた。そして調査報告書を徹夜で仕上げ、依頼先の会社(実は生協)の役員会の始まる9時には都内や浦和まで行かねばならず、6時半の始発バスのある別の集落のバス停に行かねばならない。実に苦労したものである。自動車は渋滞もあり不確定。会議のばあいはバスー電車を選んだからだ。 

 いま戸建ての新築現場に出会うと、すぐ気になるのは、①駅まで出る交通手段があるのか、②近くにスーパー等の買い物先があるか、②子供の通う小中学校があるか、子供の遊び場があるか等・・・である。そして、たいがいはノーの地帯だということだ。関東一円を250回くらいリサーチで見て回ったから(全国では350地区)、「鋭い立地判定」ができるのだ。 

 1戸建てにあこがれるのはいいが、まず居住人数のことを考える必要があり、次に通勤、通学、買い物の利便、犯罪からの防備・・・まで考えないと、貴重な投資の1/2、1/3という無駄が生じることを考える必要がある。平均的に見て男女25~30歳で結婚し、85~90才まで生きるとし、夫婦生活60年のうち子育てに要するのが平均30年ほどではないか。半分の30年は夫婦2人の生活である。とすると、子育て中は1戸建てに住むとして(それも10戸に1戸ある安い空き家を買い、リホームして住み)、子育てが終われば便利な分譲マンションに住む・・・という選択肢もあるのではないか。老後の貯蓄も増える。

  私はすでに分譲団地型マンション(余裕のある人は場合により賃貸マンションでも良い)に住んで18年になる。選択に当たっては駅やバス停が10分以内の距離にあるか(不動産の距離表現は80mを1分としている)の吟味が必要だ。団地の規模は大きいにこさない。地元の消費規模が大きいと、必ず近くにスーパーやドラッグストア、コンビニ、複数の小規模病院などもあるものだ。管理組合、自治会等も人財が多数いるために健全に運営されている。サークル等も多く、趣味を深めることもできる。また複数の公園や遊具場があり、お孫さんが来ても遊ばせることが楽にできる。

  人の目も多いいので、鍵一つ掛ければ、安心して出かけられる。近所が多く交際が大変と思われがちだが、一戸建てだと垣根越しにお隣さんと顔を合わす。挨拶だけでなく時には会話も必要になる。マンションだとお隣さんであっても1週に1度も顔を合わせない。通勤や買い物時間が微妙にずれるからだ。私はボランティアで朝6時半から7時半にかけて芝生の草抜きや花壇の花の手入を週5日ほどしているが、この時間帯に会う人は500世帯強であっても5人といない。団地からの出口が数か所あるせいもあるが、高齢化で勤めにでる人も大幅に減っているためだ。このため、人間関係が薄すぎて、震災や火災時に足並みがそろった行動ができないのでは、と逆に心配になるほどだ。

  ところで、2人で3LKであれば十分かというと、息子たち夫婦が泊まりで来たときは困る。リビングを除きあとは6畳、6畳、3畳だけだ。6畳1間は私の書斎、3畳は衣類の納戸にしており、残るは寝室に充てている6畳で、ここに息子夫婦(海外に居住)が泊まると、私と妻は書架や机のある書斎の6畳の谷間みたいなところで寝ることになる。ダイニングの6畳は食材、食器と出来上がりの料理の仮置き場で、食事はテレビを見つつリビングでしているからである。しかし年に1週間程度のことに「もう1部屋」というのはもったえない。2人であれば3LDKで十分である。 

 ともあれ2人であれば、分譲マンション(賃貸でもよい)でも、不便な1戸建てよりも快適に暮らせる・・・と申し上げておきたい。本建築であれば、大規模修繕を繰り換えせば「100年住宅」と言われる時代だ。割引して「80年住宅」としても、我がマンションの場合あと40年ほど保ち、10年後に夫婦が仮に死んだとして、娘夫婦が来ても30年も住める。鉄筋のマンションは「親子2代の活用」も効くラッキーな住宅である。木造の戸建て住宅なら持って50年が限度で、建て替えにまた1,500~2,000万円もかかることも重要なことである。ただし高齢になってマンションに住むばあい、5層以下のマンションではエレベーターがない場合が多いので、3階以下の物件を選ぶべきである。