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2021年12月29日水曜日

いも街道(三芳町)はケヤキ街道だ・・・写真集

 




写真① 名主の旧・島田家・・・街道の北はずれ

「いも街道」は三芳町を走る県道56号線の多福寺前の交差点から下組の交差点までの約1,250mを指すものと理解する。この間に下冨の旧開拓農家の屋敷が左右にずらりと並ぶ。一部集配センターなどに置き換わった敷地も多いが、ケヤキで囲まれた2,000平方メートルはあるだろう広い農家屋敷が続き、晩秋から春にかけ「川越いも」「冨のいも」のノボリが多数たなびく。旧川越藩の地域であり、三冨開拓地域に属するためである。いずれも「三芳町川越いも振興会」(29戸)の加盟農家である。その開拓の歴史については別項の「落葉農業の三冨新田史跡保存に学ぶ」を読んでほしい。ここではときに煙出し楼もある屋敷、ケヤキ、芋のぼり・・・といった「いも街道」の堂々とした風景を見てほしい。

 写真⓶③④⑤⑥        北→南へ          



















一息つきたいとおもえば、地元産品を総合的に揃えた江戸屋弘東園がある。ここではお茶、芋、菓子、黒麦茶、お酒、ギフトセット、富のヒノキの木工品まで売られ、陶芸クラブや手g芸と合気道クラブもある。建物そのものも江戸を偲ぶ立派なもの。

飲食店としては北から南にかけ、「旬菜そば・うどん富」「食事処かどや」「チャーシュー力V3」「ビザレストランIZAEMON(伊左衛門)」がある。いもの購入だけでなく家族ずれで食事も楽しめるイモ街道である。


 




写真⑦⑧⑨ 


















                                                       
   


2021年12月11日土曜日

野菜作り実技修得は「ぼくらの農園」(宮寺)ートマトの直売も

 1.技術指導型の「ぼくらの農園」

          写真① 経営主の岩田 浩さん

          写真⓶ 翌日出荷の準備 真っ赤だ!







 

   入間市の宮寺地区は、住宅や工場も多いがまだまだ畑作地も多い近郊農業地帯だ。この宮寺2603に岩田浩一さん(42才)の農場4.5ヘクタールがある。岩田さんは、2003年地方の大学を出て実家に就農。いま700㎡の巨大ハウスでトマトの溶液栽培が大々的におこなわれ、近々1,500㎡のハウスも稼働する。他にネギ2ヘクタール、エダマメ80アール、ブロッコリー80アール等も栽培され、トマトの売上は全体の20%ほどというから、他の生産額も大きい。そして、この直営作業部門に加え、2009年から「ぼくらの農園」(2019年11月に株式会社)となり、栽培指導付きの体験農場を開き、入間市青年会議所とタイアップし、消費者に呼掛けトマトやジャガイモの収穫体験、味噌づくり体験も実施し、武蔵藤沢の島屋豆腐店の春の豆腐祭りにも参加している。正確には宮寺2603。近くには不老川というこの地区唯一の川が流れ、南関東の大動脈といえる国道16号線が走る。

 

写真③ 同じスタイルの栽培群が70区画も並ぶー体験農場 

写真④ 農場に自由に使えるよう鍬を掛ける場所も。バケツやジョウロの置き場も

   国道16号線もあり、近くも遠くも狙える立地だが、岩田さんは「食べてくれる消費者と直接触れ合い、心を通じ会える近い関係を重視した農業をしたい」を目標にし、行く行くは地元にレストランを開きたいと言う。マーケティングの基本は「顧客のニーズを正確に知り、これに十分に答えること」だが、このため消費者ともに野菜を作れば消費者のニーズだけでなく、ライフスタイル全体が分かり、次なる開発商品のアイデアもつかめる。

 教える側の岩田さん自身、東京の練馬区にあった体験農園でそのシステムを1年間学び、教え方のノウハウを持ち帰って体験農園を始めた。希望者に3m×13m=39㎡の土地を貸し、年15回ほど土曜、日曜のいずれかに来て、1時間ほど技術講座を受け、あとの1時間で実際に作業をする。種まきの前後は月2回だが、普通月1回来ればよい。

 「貸農園と違い、農家の方が実際に農作業を教えてくれるので、すぐ上手になれるのが魅力」と評判である。ときに土壌のPHの測定法やパワーシャベルの操作法まで実指導。圃場の現場に農具や資材の置き場があり、水道の蛇口の2ケ所にある。だから指導日以外の時に来て作業を楽しむ人もいる。実際に育てる野菜の数は15種以上にもなる。たとえばトマト、ネギ、ニンジン、エダマメ、ブロッコリー、コマツナ、ホウレンソウ、キャベツ、トウモロコシ、ジャガイモなど。 

現在、体験農場には約70組が参加し、同じものを植えた70の区画が連なる畑は壮観である。種子や苗、肥料、農薬、農機具は一切農場側が持ち、参加者は手ぶらで来ればよく、貸農園とは大違いである。年間の指導料は3,000円。1月にして3,200円ほど。収穫物は全部持ち帰れる。ある生徒さんが実際に計算してみたら、収穫物の価格は6~7万円になったそうで、「実質負担はゼロ」ともいえる。参加者の半分は農業をしたい男性会員、半数は家族で農業を楽しみたいという家族会員といった状況のようだ。 

2.若手農業者の育成にも挑戦

 今農場全体の正社員は3人、パートは延べで15人ほど。年商は5500万円程という。トマトは中玉を作っているが、溶液栽培のためすべて機械でコントールでき、省力化・安定化しやすい。8月下旬に苗を植えれば、翌年の7月中旬まで次次収穫でき栽培が楽である。1,500㎡のハウスが加わればトマトの販売比率が40%以上になるという。

写真⑤ トマトの溶液栽培・・・周年収穫している     写真⑥ トマトの直売も

                                                            
   販売先は、庭先直売もあるが、主に10店舗ほどのスーパーだ。農協から紹介された先もあるが、自身で開拓した店もある。前日夜にパーケージして冷蔵庫に入れたものを、翌日配達する。売り場で値付けをして陳列。返品が気になったが、「前日の残りは値引きして売り、持ち帰ることはない。新しいシールを打ちだし付け替える」だけとのこと。スーパーのほうも農家の誠実さを全面的に信じていて良好な関係が構築されている。直売所のばあいは「前日の品が残れば返品」と聞いていたが、スーパーでは売価下げ―再販売でよいと聞いてひと安心。 配送に2~3人で朝出掛、値付けもあり各2~3時間かかるようだ。

岩田さんは、若き農業者の育成に意欲を燃やしており、これまで2人を育てたが、独立し地方に帰っていった。できれば近くに農園を持ってもらえる人であれば、土地を手当てしたり、販売の支援もできる。また協力し合えればマーケティング力なども強くできる。さらに欲を言えば「農場に残り、中軸を担う後継者にもなりうる人を育てたい」という。いずれにしても若さにあふれたダイナミックな経営である。    岩田さんの携帯080-1172-0831

2021年11月17日水曜日

イオン入間店にはオーガニック野菜も多数

 

 仏子に住んでいると、イオン入間店のある上藤沢462-1は、東南のはずれで、行く人は少ないはず。所沢方面に出たついでに寄るようなパターンが多いのでは。何しろ本格的な総合スーパーと言えば所沢以西ではここだけ。ともかく直営売り場は超ワイドで品数は3万点以上、テナントも沢山。

 売り場が広いだけに一般スーパーにない独自開発のスーバリューという独自ブランド品も多いし、無農薬と有機肥料のみで育てたことを国が有機認定したオーガニック品の野菜だけで40点ほど売られていた。ネギ、カブ、ホウレンソウ、シュンギク、トマト、ミニトマト、キュウリ、ニンジン、サツマイモ、サトイモ、レンコン、タマネギ・・・と大体の野菜がうられている。選択性には不足がない。契約生産がほとんどのはずで、値段もとびぬけて高いものではない。税込みでホウレンソウ1袋213円、タマネギ3玉267円、サツマイモ2本入り321円、ニンジン2本入り213円・・・といったところ。

各袋には政府の有機認証を示すの下記のマークがついている。

なお、地元生産者13人が出荷する直売野菜コーナーも32尺分ほど(平台)あり、じゅうじつしている。




仏子地区投票率はー衆議院選挙(令和3年10月)!

 

 衆議院選挙が終わり、自民党の岸田内閣も発足した。この選挙で、どのくらいの人が投票に行ったのだろうか。入間市のばあい小選挙区の結果は、期日前投票や不在投票まで入れ(海外除く)54.59%となっている。地区別の期日前・不在率が分からないので、これはどの地区も同率として、仏子小学校と野田中学校の修正投票率を出すと、仏子小60.77%、野田中59.82%となる。市の平均より約5%高い部類で、少しだけホッとした。 

 今回、全国平均の小選挙区投票理知は55.93%である。昭和21~42年の戦後復興期は70%台。昭和47~平成5年は60%台。平成6~平成29年は50%台・・・と階段を降りるかのごとく投票率はガクン・ガクンと低下してきたのだ。どうも経済循環などとは一致していない。学校教育とか家庭教育の変化の影響が大きいと思う。戦後は苦しく、与えられた民主主義だったが、多くの人が苦しさからぬけだすため、政治への関心が強かった。高度成長期にはいり所得が伸びるなか、政治は他人任せでも「どうにか生活は安泰」という機運になり、親は労働組合にも入らず、職場や家庭で政治のことを語らなくなった。親は親、子供は子供の遊びの世界が増えた。親子断絶が進み、こんななかでリーマンショック。その後は成長なき時代で非正規雇用も進み、職場内断絶も進んだ。政治・経済の恩恵を受けない非正規な人は続々と選挙時の無投票層に代わっていったように思う。 

   図は前回の衆議院選挙の年齢別投票率
  無投票がいまや最大勢力で、「無投票!みんなで渡れば怖くない」とさらに投票率が下がっていくのが怖い。「仲間も投票に行かないのだから、俺も行かなくても恥ずかしくない」と思う人がますます増える。しかも表のとおり、無投票者は若い人ほど多い。やがて1人の勤労人員が1人の非勤労人員を支える国になるというのに、今の30代以下の層は45%以下しか投票に行っていないのだ。18~19才は例外として20~24才の層の投票率は実に31%だ。「三割民主主義」になれば、ベラルーシュやブラジル、フィリピンのような独裁国家が生まれてもおかしくない。家庭内においても、親子が友達のようなフランクな付き合いをし、ざっくばらんに生きざまを見せ合い、様々な話が出来るような雰囲気にしないと、政治的後進国から逃れられないのでは。
 

さらに紹介しておくと日本の国政選挙の投票率は、世界191ケ国のなかの145番目で53.68%(今回選挙と類似)である。もっとも同盟国とされる米韓を見ると韓国は131番目で58.03%、アメリカは134番目で56.84%だ。先進国のなかでは共にきわめて悪い部類である。たとえばオーストラリア91.89%、ベルギー88.38%、スウェーデン67.16%、デンマーク84.60%、ノールウエー78.22%、ドイツ76.15%、オーストリア75.59%、イタリア72.93%、スペイン71.76%、フィンランド68.73%、カナダ67.65%、イギリス67.55%と、日本よりいずれも15%以上高い。文化・経済・工業レベルの違いよりは、国民性が大きく関与しているように思う。

日本人の国民性に通じる言葉・・・和をもって尊しとする 長い者にはまかれろ 出る釘は打たれる・・・この結果、本音を語り合わない、政治の議論は極力避けるで、政治への理解が欠如し、投票に行く人でも「良く分からないが、義務的に投票する」という姿の人も多いのではないか。 革新を名乗る立憲民主党ほかにしても、地域での日常活動がゼロであり、政党ニュースは流れて来ないし、議会報告会もない。これでは庶民が政治音痴になるのを手助けする政党・・・と批判されて当然であある。

 

常時「花栽培仲間を募集」の所沢緑町公園

 


 

   令和3年中に各地の団地を訪ね、「花一杯運動的な雰囲気か」を見て回った。新所沢の第1、第2団地は花壇のスペースも多く、多数の人が花壇の手入に参加していることも分かったが、私の住む団地では共有地の花栽培の規程もないため、共有地の花壇利用は「歓迎か否か」もはっきりせず弱っている。

 ところが、新所沢団地の公園を見て、違いが分かった。団地とは別の管理がされているようだが、公園の片隅では太極拳のグループが練習中で、これも素晴らしいが花壇の運営も立派である。写真の看板2つを見れば分かる通り、「花と緑のボランティアの会」の名で「一緒にお花を植えませんか」「お花の好きな方の参加をお待ちしています」「私たちの街を私達の手でうつくしませんか」「美しい街づくりのため協力してくれませんか」と訴え続けているのだ。そして、毎週水曜9~12時に作業に参加くださいとし、忙しければ一部の時間でもOKとしている。

 

 







      その成果は30m程の間にある実際の3つの花壇が証明している。パンジー、ビオラ、葉ボタン、ベコニア他・・・植えられて植えられている。これだから、地元団地の花壇も立派なのだと思った次第だ。

2021年9月28日火曜日

アリット寄りの「大の園芸」は苗もの・鉢物豊富

 

 仏子地区で花苗を買おうとすれば、ホームセンターのカインズ、ビバホーム、スーパーのヤオコー当たりになるはず。だが、もう一つ花卉農家が経営する「大の園芸」というのが、金子の工業団地の南側、博物館のアリットのすぐ北側にある。花、花苗、野菜苗の品揃えではホームセンターに匹敵する。正式な住所は入間市狭山台2―8-8 電話04-2934-6276。営業時間は9:30~17:00.休日は水曜だが、7月は水・日曜。車も5台ぐらいまで停まれそうである。 

 南北方向に道路に沿い大きなハウス2棟(推定446㎡、594㎡)、小さなハウス2棟(推定各106㎡)が立つ。大きなハウスの1つには、レジが置かれていて、ガーデニングの苗や寄せ植えされたものが数百鉢も置かれている。実に品揃えは豊富。経営主自らレジで接客しているので、いろいろ花の種類ごとのアドバイスも受けられそうである。 













写真(上)寄せ植えの鉢が数百も  (下)仕入れ品もあり品揃え豊富な花苗ハウス

もう1棟の奥のハウスは、北側半分で自家製の花苗や野菜苗の生産が行われ、南半分で、作られた苗の販売がされている。確かスイカの苗だけで8品種が置かれていたのにびっくり。 

このほか小規模ハウス2棟では、仕入れ品も含めた花苗が多種販売されている。いづれにしても市場仕入れもしているので、寄せ植えだけでなく野菜苗も花苗も種類が豊富である。ただし肥料、農薬、園芸資材、植木苗といったものは扱ってないので、留意しておくべきだ。


パンジーとビオラ苗の品揃えは地域一番(令和4年10月下旬)

仏子から近い2つのホームセンター・・・・ともにパンジとビオラ苗は、売る時期を越したと見るのかもう100苗も置いていない状況。ところが「大の園芸」は違う。中規模2棟のハウスはパンジーで一杯、大規模1棟のハウスはビオラで一杯(ともに他の花苗はゼロ)。色の種類も豊富で、近似しているのに一つの色が微妙に異なるものもある。ビオラだけで10色はあるのではないか。選定に迷ってしまうほどである(写真下)



2021年9月22日水曜日

畑の際のコスモス乱舞が見事


昨年(令和2年)の秋には、西武公民館前の入間川土手のコスモスを紹介しました。今年(令和3年)は、車で走っていて見つけた多色なコスモスとキバナコスモスのミニ群生地です。場所を得たのか、咲いている密度がどちらも極めて高く、群舞の美しさがすばらしい。


 









 





 

写真①②:所沢市下富の多色コスモス

多色と言っても、濃いい赤紫、赤、ピンク、白の4色に過ぎないが、場所は所沢の下富といった場所のはず。家の小さな庭と畑の境界のところに垣根のようにL字型に密生し、低い位置から高い位置まで花がくまなく咲いている。コスモスは、15cmの高さでも咲き始めるもの。けれども下の方の花は早く枯れ、草丈の頂上部のみに花が集中しがちである。ところが、ここはもともと畑で肥えていたのだろうか・・・下から上まで万遍なく花が咲き、コスモス乱舞の美しさが抜群である。

写真③;狭山市狭山台の交差点際のキバナコスモス 

ここから125号線を北上し狭山市の狭山台2丁目交差点というのがある。交差点近くの歩道内の花壇用地のコスモスは「キバナ」だけだが、そのボリュームがすごい。道路側から見ると高層団地を隠してしまうほどだ。キバナコスモスは私からすれば憎まれ子だが、ここまで咲くとその迫力に拍手を送りたくなる。

珍しく今も残るコスモス畑ー三芳町北永井。昔、ここに蕎麦屋があった。周囲はソバ畑で、ある大農家の自家製粉による直売ソバ店。食べに入った人は帰りにコスモスの花のいくつか摘んで持ち帰ることができたように記憶している。

                      同じ畑が5月にはチューリップ畑に変身
 

 早咲きコスモスの栽培は失敗だった(令和4年9)

 マイ団地の花壇に、早咲きコスモスの種を買って、5月上旬に蒔いて間引きもせず育ち放題にした。6月には一部花も咲き、夏場に咲き乱れると踏んでいたが、コスモス乱舞の美しい姿を一度も見ることなく9月末を迎えてしまった。赤、ピンク、白の3色が咲くはずなのだが、4ケ所に蒔いて3色が揃い咲きすることが1ケ所もなかった。まず種そのものがきちっと1定割合で3色を含んでいないように思えた。期待を裏切らないよう種子業者は注意して欲しいものだ。
 
 後は当方の問題だとおもうが、間引きをすると同時に、苗が大きくなった段階で「深く植え直す」必要がありそうだ。本数が多いと成長の良いものと悪いものができ、花が一斉に咲かないのだ。またコスモスは背丈が1.5~2mにもなり、浅い耕土に張った根では、風に耐えられず寝てしまう。耕土を20cmは堀り、腐葉土などもたっぷり投入し、根本は最低10cmくらいの深植えする必要がある。さらに支柱の用意もして、枝の倒れを防ぐことも必要になるのでは。

友人の畑で育ったコスモスをいただいた(令和4年10月9日)

 写真の背景に見えるのはヒロ・ヤマガタの作品(昔100作は印刷が収集)


2021年9月14日火曜日

川越市のレンタルサイクルは成功ー入間市政③

 

 入間市NORISE UP宣言の23項では「自転車を活用したまちづくり」を歌い、条約宣言の2項でも「自転車利用街づくり条例」の制定を考えている。その主たる内容の柱は、レンタルサイクル(貸し自転車)である。 

















自転車シェアリングとか、サイクルシェアとか、呼び方はさまざまだが、要は貸し出された自転車に乗り、仕事を片付けたり、観光地巡りをしたりすることだ。その大義名分は、①自動車によるCO2排出を抑える、②路上の車による混雑や事故の削減、③健康・体力の増進、④共同利用による自転車維持費の削減. ⑤買い替えなどでいらなくなった場合の放棄問題・・・などから多目的な成果が期待されている。入間市も真剣に考えても不思議ではない。 

貸し出したり、返却を確認したり、乗り捨て自転車の回収に労力がかかり、採算に乗りにくい・・・と考えられたのは過去のこと。いま、川越市のレンタルサイクル事業を見ると、ITを駆使したシステムで、どの段階も無人・・・人手いらずのお助けマン的な存在なのだ。 

 川越市に行き、「大きな拠点ステーションには人もいて話が聞ける」と思い探したが、該当物件は見当たらない。「あれですよ」と指をさされた先にあるのは自転車の係留装置と、電動アシストの付いた自転車だけ。いま川越市の公共施設(公民館、駅、公園、神社、寺等も含む)の41ケ所にステーションがあり、各5~28台、計430台の電動自転車が配置されている。この他民間施設も協力しているので、ステーションやレンタル自転車数は大幅に上回る。 

 電動アシスト自転車は価額が高いが、体力のない人でも楽に乗れる憧れの品。これに安い値段で乗れ、ステーションがあればどこでも返却できる、料金はスマホにより一発で住む。電動の園電機の補充は、返却時に充電用コードを自転車の電池部分に差し込んでおけば充電され、充電済の自転車を選べば即座に乗れる。 

 利用料金は1日最大1,000円で、借りて40分以内に返せば200円。これを超えると30分ごとに200円。観光地めぐりなどは、返してはまた借りるでは高くつき、1日借りるほうが明らかに得である。なお料金の支払い法については複数あり、①クレジットカード決済、②携帯キャリア決済、③YahooJAPANウオレット、④プリぺイド式カード(現金)、⑤PayPay・・・である。 

  詳しい問い合わせは:川越市都市計画部交通政策課交通政策担当 049-224-5519(直通)  

 ところで、入間市にこのレンタルサイクル制度を導入したらどうなるか。川越は埼玉一の観光地といってよく、蔵通りや菓子横丁だけでなく、周囲に沢山の寺や神社も存在する。1万石の城下町で、それだけ多くの観光資源が散在している。それだけでなくさいたま市、川口市に次ぐ埼玉3番目の都市。事業所も結構多い。しかも市街と周辺はフラットに結ばれていて。自転車は利用しやすい。 

 入間の場合、①まず観光地が少ない。②加治丘陵や狭山丘陵があり、地形的に坂が多い。電動アッシストであれば坂も難なく上れるが、カーブ等で交通事故にあう可能性が高い。自転車レーンを明確にする必要がある。③民間で協力してくれる自転車屋は極端に少ない。観光地の掘り起こしをするとともに、札所巡りのように、訪ね先に番号がつき、安全な場所にスタンプが置かれ、これがたまれば市の方で粗品・・・と言った、観光地育成の対策とレンタルサイクル事業を合体して行く必要がある。

  

2021年9月9日木曜日

落ち葉農業の三富新田史跡保存に学ぶー三芳町(埼玉)!

 

写真①:旧・島田屋住宅の前にある三富の落ち葉農業の説明パネル

1.落葉による自然循環型農業

 埼玉県の所沢市と三芳町にまたがる地区に、三富(サントメ)と呼ばれる有名な地区がある。下富、中富は所沢市、上富は三芳町に属する。なぜ有名かは農業関係者の一部はよく知っている。落葉や雑草を利用し堆肥を多投し、広い区画の荒地を肥沃な農地に換え、自然循環型有機農法を成功させた江戸時代の開拓地だ。その成果は、チリにも技術移転されたほどで、海外にも知られている。

                                             

写真⓶③ 後を支える

武蔵野の雑木林
   







 


写真④:雑木林の際から住宅のあるケヤキ並木を見る…かすんで見える















写真⑤:埼玉県指定旧跡・三富開拓地地割遺跡

   今回問題にしたいのは、上富の属する三芳町は人口3.7万人で、入間市の14.5万人、所沢市の33.8万人に比してすこぶる小さいにもかかわらず、史跡保存に多大な努力をし、同時に地元産品のサツマイモなどのPRにも力を入れ、農業振興にも成功しているからだ。 

 この地区は、もともと関東ローム層のやせた荒地であった。周囲の農民の入会地で、屋根をふく萱を刈ったり、堆肥のため落ち葉をかいたり、雑草を刈ったり、薪炭用の雑木を得たりしていたが、資源の取り合いで紛争が絶えなかった。元禄年(1694年)に川越藩主となった柳沢吉保は、元禄9年5月にこの荒地の検地をし、そして縦横の太い道路をつけ、超長くて広い区画の地割をした。上富(三芳町)、中富、下富(共に所沢市)の3村を誕生させた。 

2.区画の長辺675m-1区画5ha

長辺は675m、短辺は72mで、立地により長・短辺を調整したが、全体面積は約5ha(実際は4.86ha)と一定。675mと言えば、普通に歩いて8.4分かかる。長辺の片側にはケヤキなどを配した屋敷、片側には落葉や薪炭用のコナラなどの雑木林。写真⓶は、はずれの雑木林の下に立って、住宅のあるケヤキの木立を撮影したものだが、かすんではっきりとは見えない。

図①:上富地区91戸の地割図 

かりに屋敷用地に0.5ha、雑木林に1haを当てたにしても、なお3.haが農地になる。戦後、まだ農地の集中が進まない昭和35年の1農家平均の耕地は0.77haである。やせ地とはいえ3.5haはこの4.5倍。落葉農業で土地の肥沃化を進め、後の発展につながった。関東ローム層の緩やかな台地のため、河川がなく導水も考えたがうまく行かず、三富全体で22mの深さの井戸を11ケ所に掘り共同利用もした。 

地割が終わると上富91,中富40、下富49,計180世帯が近隣から入植した。やせ地のためサツマイモの栽培が主力で、他はソバなど限られたものだったようだが、落葉堆肥を繰り返すことで年々肥沃になり、今現在はサツマイモ、ホウレンソウ、コマツナ、ダイコン、カブ、スイカ、メロン、ユズ・・・と豊富な作物が採れ、耕地規模の広さもあって、豊かな農村地帯となった。屋敷の広さや建物の立派さを見ても、このことは一目瞭然である。

写真⑥:56号線沿いに「いも街道」の表示板 

ある農家を訪ねたことがある。4人ほどでサツマイモの選別をしていたが「12品種ほど栽培している」とのこと。多様化したニーズに沿い、多品種栽培が進んでいるのにびっくりした。かなり前にこの地にきたとき、南北に県道56号線が走るが、北は『多福寺前」、南は「下組」の交差点の間の約1kmほどの間に、秋~冬にかけ「冨のいも」「川越いも」と書かれたノボリが多数立つ。私が「イモ街道という名をつけたらいいですね」と言ったら、「すでにいも街道と名付けられていますよ」と言われ、恥をかいたものだ。たしかに良く見ると56号線沿いに、黒い板に白い字で「いも街道」と書かれた表示板が数か所に付けられていた。サツマイモ農家を振興するための町のテコ入れの一つだと思う。

3.古民家保存で落葉農業教育の拠点

さて、市の史跡保存の努力は並々ならぬものがある。1kmのゾーンの北はずれには、写真⓶③のとおり開発名主「島田家」の門と両袖の壁が保存され、合わせて1尺近い幅の石の壁、重厚な瓦屋根の建物も見ることができる。印象的なのは、門の前に建てられた島田家を記す碑の側面に「郷土の文化財を大切にしましょう 三芳町教育委員会 三芳町文化財保護審議委員会」と彫られていたことだ。 

300mほど南下すると、この島田家が「寺子屋」にも使っていた茅葺の古民家(写真④⑤)が移築されている。平成8年3月に復元工事は完了したようだ。庭の外側には5台分の駐車場や、男女別のトイレもあり、開館時間は9~16時。休館日は月曜及び祭日、12月28日~1月5日まで。入場料は無料。


 







写真⑦:旧・島田家を移築し、落葉農業学習の拠点に


写真⑧:
毎日焚かれる囲炉裏の火






写真⑨:液体、個体、紙など様々な物入

写真⑩ 春先には庭にサツマイモの苗床も







写真⑪ 裏手には囲炉裏に使う薪がどっさり積まれている

古民家は間口20.9m×奥行8.2m=面積171.0㎡(約51.8坪)。市に雇用された高齢の女性3人が交代で管理に当たり、毎日囲炉裏で火が焚かれ、掃除をしたり、見学者にいろいろと説明もしている。前に来たときは庭にサツマイモの苗床があった。また軒下に縦に裂いたダイコンを干していたこともある。永年の煙のせいか、床、柱、壁すべてが黒光り、やはり黒光りした棚には昔油や醤油等を入れた壺や収穫物他を運ぶ竹籠などが並ぶ。ほうき草で作った箒などの展示物もある。巻頭の写真もこの古民家の前に立っており、子供さんを初めとした人への「落葉農法」の学習拠点となっているように思う。実際に度々いろいろな研究集会がここで行われている。 

ここからやや南下した道路の反対側に、「埼玉県指定旧跡 三富開拓地割遺跡」という碑もある。同じものは旧・島田家の庭にもあり、特定のポイントに建てられているのでなく、「この地域全体が三富開拓ですよ」と言った意味合いのようだ。 

三芳町のすごさは、「旧・池上家の住宅」という別の古民家も保存していることだ。こちらは三芳町竹間沢877にある三芳町立歴史民俗資料館の敷地にあ る。いも街道の南はずれには、イモ農家が始めたIZAEMONという立派なピザレストランがあるが、他にも複数の食事どころがある。これらで一息ついて、最後は上記の民俗資料館を訪ねるのが最高の三芳町の旅と言える。ナビで行くなら三芳町上富1542の多福寺を目指すとよい。この寺は開拓民の拠り所として建てた菩提樹。ここから東に500mほどのところが、56号線の『多福寺前』である。      

写真⑫⑬ 多福寺の紅葉




なお、「三芳町川越いも振興会」のHPを検索すると、いも街道沿いの29軒に及ぶいも販売農家の電話番号も出ている。


令和3年11月14日(日曜日)に

三富地域の平地林散策と「さといも」収穫体験」を開催します。

詳しくはさんとめねっとのホームページからご覧ください。

https://www.santome.jp/765

 

令和3年11月20日(土)~21日(日)小江戸蔵里にて

第15回さんとめの木をいかす展を開催します。

※小江戸蔵里HP https://www.machikawa.co.jp/

三富で育った木を使ったワークショップを多数ご用意しています。

三富材を使ったクラフト品の展示販売も行っています。

詳しくはさんとめねっとのホームページからご覧ください。

https://www.santome.jp/741

    

令和4年2月2日(水)13:30~15:30

「三富地域の平地林をナラ枯れから守るために」と題した

講演会を予定しております。

※例年開催される「農」と里山シンポジウムに該当するものです。

講演会はコロナ対策としてZOOMにて開催します。

※講演後、内容をYouTubeで視聴する方法もあります。

 

詳しくはさんとめねっとのホームページからご覧ください。

https://www.santome.jp/825 

※郵送希望の方でも、メールアドレスがある方にはイベント情報

をメールで送らせていただきました。

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川越農林振興センター

三富農業・地域支援(三富農業)担当

担当部長 藤澤 史宜

tel 049-242-1808 fax049-243-7233

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