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2018年3月28日水曜日

外国人(埼玉県)との楽しい共生を図ろう!


1.すでに1/50以上が外人

 埼玉県全体について見ると、表―1の通り平成29年6月末時点で16万人の外国人がいる。これは総人口の2.2%に相当する。50人に1人以上が外国人で、年率9%以上の増加ですぐ40人に1人の比率になる。今や製造業、飲食業などの現場では、人手不足のため外国人なしではやっていけない状況にあり、今後も増加が続くのは間違いない。となると外国人と仲良く、楽しく共生していくことが不可欠になる。

表―1 埼玉県内の在留外国人数  
人数
対前年比
増減率
県人口に
占める割合
 平成29
160,026
9.6%
2.20%
平成28
152,486
9.2%
2.09
平成27
139,656
7.4
1.92
平成26
130,092
5.5
1.79
平成25
123,294
4.6
1.71

 ※平成29年については6月末時点で

 国別の区分では表―2のように中国、フィリピン、韓国、ベトナム、ブラジル、ペルー、台湾、ネパール、タイ、パキスタン・・・といった順になる。私も外国人だけの派遣業の顧問をしているが、昔はフィリピン人が中心だったものが、最近はネパール人が中心になり、西アフリカのフランス語圏の人(黒人ばかり)、バングラデシュやインド人も増加し、中国人や韓国人はいない。派遣先は青果物の加工、パッケージなどで、基本的作業をマスターしてくれれば、言葉の壁もどうにか克服できるからだ。

 息子は長らく飲食業界に関係してきたが、飲食業では中国人留学生が一番多いいとのこと。中国人や韓国人は日本人と肌の色も似ており、非常に割合が高いのに気づかない。留学生は日本語も勉強していて、接客の面で不自由しないからである。

 なお外国人の全人口比率が2%以上の埼玉の市町は、上位から言うと蕨市、上里町、戸田市、川口市、八潮市、本庄市であるが、最低でも0.3%ぐらいで、全県下に外国人は分散して居住している。通勤・通学に便利なで、地元に工場や飲食店の多い京浜東北線、東武東上線などが特に多い。東上線の沿線は不便な立地に工場が多いためか、駅ごとに数社の送迎バスが横付けされ、20人、30人もの外人をピストン輸送している。西武線の沿線ではこうした例はまれで、外国人はまだまだ少ない。入間市の場合、外国人は1,374人で総人口比0.917%である。


2.国別のコロニーが言語の壁を助長

外国人と仲良く楽しく共生していくには、やはり言葉の壁を低くすることだ。日本で3~5年すごした外人でも、日本語の基本用語が1/10ほども分からない外人が多い。一つには、同じ国のコロニーが地域別にできていて、日本人との会話が少なくてもすむためと思われる。スマホも6~7割の人が持っており、仲間とのやり取りも活発だ。はたで聞いていると母国語を中心に、英語もまざり、ごく一部だが日本語も混ざる。また母国に居住する親兄弟、子供とラインでやり取りし、親や子供の写真も自慢げに見せてくれることもある。

英語が結構話せるのは、学校で共通語として学んでいる国も多いからだ。こちらが外国人に近づくためには、ある程度英語が話せる必要がある。私は英語が大の苦手で、日々外国人との意思疎通に悩んでいる。

 表―2 国籍・地域別在留外国人数
(平成296月末現在ー埼玉)

 順位
国名
人数 人
構成比%
1
中国(台湾を除く)
62,948
39.
2
フィリピン
19,169
12.
3
ベトナム
17,262
10.
4
韓国
15,707
 9.
5
ブラジル
7,271
 4.
6
ネパール
4,553
 2.
7
ペルー
3,514
 2.
8
台湾
3,150
 2.
9
タイ
3,013
 1.
10
パキスタン
2,299
 1.
11
インドネシア
2,082
 1.
12
米国
2,003
 1.
13
バングラデシュ
1,661
 1.
14
トルコ
1,476
 0.9
15
朝鮮
1,457
 0.

その他
12,461
 7.

総計
160,026
100.

このため「外国人に日本語を少しでも話せるようになってほしい」と願う1人だ。そこで日本語の初歩的なレッスンにも取り組んできた。日本語の発音はローマ字でするとして、ローマ字の一覧表もつけて、日本語の基本用語についてパソコンの翻訳機能を利用して英語、フランス語、ネパール語に訳したものを配たり、3ケ国語で書いた企業内の簡易ニュースペーパーも2回ほど配たりしてきた。

地域に語学ボランティアがいる場合も多いが、ぜひコロニーごとに、こうしたニュースペーパーを発行、裏面に日本語の基本用語の紹介する・・・といった活動が望まれる。夜や休日に語学教室を開く方法もあるが、「時給を支給する」の条件でないと「疲れているから参加しない」ということになる。私の勤務先ではH30年11月から、日本語のできる程度により分け、月2回とし日曜10~12時の2時間の日本語研修会を開くことになった。立派な日本語の先生が見つかったからだ。だが、会社への帰属意識を高め、社員同士の和を高めるには、やはり多言語で記した社内報も必要だと思っている。

一方で、「日本語を自ら勉強しないと、いろいろの面で損をする」ことも自覚さすべきだと思う。作業の手順や機械の操作を充分理解できないと、身体に危害が及ぶ、病気をしても正確に症状が伝えられない、定期健康診断を受けてもドクターに体の具合を説明できない、食の安全上のミスが生じる(企業に打撃を与え、自身の信用を下げる)、社会保険、健康保険、労災保険などの細かい内容が理解できない、ゴミ出しなどのマナーが理解できず、近隣関係がまずくなる・・・など、マイナス要因は実に広い。観光スポットを回ったり、グルメな日本料理を楽しむといったこともできない。(続く)

    私が具体的にヘルプしてきたのは、1つが部屋の賃貸の仲立ちだ。不動産会社との交渉に立ち会い、より安い賃貸の物件を選択するようにした例を2軒経験した。2つ目は税金、電話料金などの支払いだ。1人のフイリッピン人からは、毎月携帯電話代の振り込みを頼まれ、また市役所、税務署などからの通知を見せられ「なんて書いてあるの」と聞かれる。公的文章も本来、英語、フランス語、その他・・・と用意しないと、親切な対応とは言えない。特に加入が義務となっている年金については、よほど分かりやすいパンフを用意しないと複雑なため理解できない。相手に理解されないまま加入させているのは大問題である。母国に年金制度がない場合、帰国に際し一時金として支払いされるのだが、年金+医療保険などの納付額は、すぐ月3万5千円もになり、「これはきつい。払いたくない」という苦情に接する。市町村に国別の親切な解説パンフがないと、我々では説明しきれず困ってしまうのだ。

 ここ3ケ月、日本語の学習も初めて経験した。ネパール、スリランカなどの外人が中心だったが、超ベテランの先生だったがネパール語やスリランカ語などは一切使わない。日本語のみで通す。日本語の学習に英語やその他の母国語を使えば、日本語を覚える妨げになるからで、同じ机に座った同士で自己紹介を日本語でさせる。数字をイチ、ニイ、サン・・・と10まで言わせる、漢字の人、目、耳、口・・・など象形文字の絵を示しながら分かりやすく教える。つまり、「外国語の分からない私のような人間でも、日本語を教えられる」ことが分かった次第だ。事実、ボランティアによる日本語学校を見学したこともあるが、外人とボランティアが20組も向き合い、マン・ツー・マンで日本語を教えていた。日常用語であれば身振り手振りで話しかければ理解できるものなのだ。



2018年3月12日月曜日

入間川河川敷(仏子付近)の流木対策を!

 ここのところ、妻に誘われ入間川の中橋・上橋間の土手を散歩するが、上橋上流の河川敷に多数の流木や林地のゴミが押し寄せている。岸辺の美しさを損なうだけでなく、再度台風でも来れば下流のどこかで橋げたにたまり、増水を促進したり、堤防や橋をこわしかねない(写真①②)。
         写真①上橋上流部の河川敷は流木他で一杯

         写真②中橋から上橋に至る遊歩道から見た流木

 問題は上流部の名栗川や成木川の水源地となる山々には、樹齢50年を超えるスギ、ヒノキが沢山育ち、間引かれて切り倒された木がそこら中に転がったままになっていることだ。山は急峻で、大雨が降れば間伐木や地表にたまっている森林ゴミ(木の枝、竹、笹等)が川に向かって落ち、流れくだる。林野に携わる林業家や農家も高齢化し、作業する人がいないことも大きな理由である。山から切り出すにはトラックの通れる林道が必要だが、青梅や秩父の山は急峻でこの林道が整備されていない、ここにも問題がある。

筆者は平成15年に環境小説ともいうべき「成木川の早太郎」を発刊し、間伐材の林地捨て置き問題を世に問うた(本はすでに絶版のため、別途このブログで紹介予定)。地元の青梅市役所にも本を差し上げた。このとき一時的に左右の端に数本づつ杭を打ち、この杭に横倒しの間伐材を6~8本ずつ?横置きして引掛けるようにしていた。最近確認すると、写真③のように立木に伐採した木を引っかけるようになっていた。これも一つの流木防止になるが、森林の広さをからするとごく一部ではないか。
写真③④成木川の上流の荒れた林地

皆さんも大型台風のあと、ダム湖の表面を流木が覆った写真を新聞やテレビで見たことがあるはず。これを除くとなると膨大な労力と金がかかる。

流木の問題は、まさに日本の林業問題でもある。戦後の復興期に沢山の木を伐り、はげ山も生まれ、昭和30年代にはこれを回復するためスギ、ヒノキの植林が奨励された。お陰で日本は今も国土の68.5%が森林面積。これは世界17位のレベル。先進国で日本より上位にあるのは10位のフインランド、16位のスエ―デンだけである。森林は沢山の炭酸ガスを吸収するし、水を貯え豊富な灌漑水や飲み水を提供してくれ、すこぶるありがたい存在。おそらく日本ほど水道料金が安く、水を自由に使える国はないのでは。

だが困るのは、木材資源としての森林である。安い輸入木材が増えたり、集成材やコンクリート建築が増え、どちらかと言えばヤワなスギ材の需要は低迷(最近はやや伸びている)。国産木材の価格は低迷してきた。このため日本の森林は切るに切れず伸び放題。途中陽当たりをよくするため1部の木を間伐するが、間伐材は値も安く運び出す労力費が出ず、間伐木は林地に大量に捨て置かれているのだ。

少しでも木材価額を安くし、輸入木材と競争できるよう農水省では50ha、100haを持つ地つきの大型林業者を育てる一方、委託を受け樹木の伐採、道路づくり、運搬を大型重機で行う林業企業体の育成をいま推進している。

市民としてできることは、①地元産木材の良さも認識し(地元の木材を使えば、気候風土に適した家ができる)国産材を大いに使う、②森林体験や林地で遊べる場を林業者とともに作りるとか、木工品(置物や椅子など)を造るとか、③シイタケ栽培をするとかし林業者のプラス・アルファーの所得向上を促す、④バイオマス発電で地域の電力をまかなう(欠点は木材の持つ熱量の20%ほどしか利用できないこと)。⑤ボランティアとして流木などのかたずけをする・・・ことが必要ではないか。そうしないと、いずれもともっと荒れた入間川の河原になってしまう。実際は一刻も猶予できないほど森林は荒れているのだ。

    仏子や飯能エリアの入間川を所管するのは、埼玉県飯能県土整備事務所河川砂防担当・・・という長い長い名前のお役所だ。電話で改善策があるか否かを聞いたが、「美観面の対応策を取ることは、仕事に含まれていない」と言う。流木対策を考える部局はないことになる、土砂同様、流木が土手や橋を壊す例が各地で起きている。流木が橋に引っ掛かり、流れを止め水害を起こす例もある。流木を流砂と似たものとして扱う必要があるのではないか。

    なお私は2003年に小説「成木川の早太郎」(魚のハヤの世界を擬人化し、間伐材の放棄問題の提言)を執筆。静岡県の教育委員会の推薦図書に。入間市中央図書館に寄贈本1冊あり。