1.参加者が少なければ役立たない
9月1日は防災の日。どこの自治会でも消防署の支援を得て消火、避難、救助、炊き出しなど豊富なメニューで訓練をしたはず。だがどこも地域世帯の20~30%しか参加していないのでは(私はいつも参加人数を数えてみている)。これでは実際の災害が発生したとき、役に立つか・・・と、いつも疑問に思う1人である。
最近は自治会に加入しない家庭も増えているが、災害は加入の有無に関係せず襲ってくる。仮に避難、救助と言う事態が起きたら、自治会員・非会員の区別はしてられない。このため非自治会員にも訓練参加を促すパンフくらいは配り、互助の面から自治会への加入を促すべきだろう。
2.ハンディ・メガホンの活用
問題は自治会加入者そのものの訓練参加も20~30%と少ないことだ。もっと遠慮なく訓練を知らせ、参加を促進しないと、災害時の混乱は明らかである。自由な意思を尊重するあまり、騒がしい呼びかけを控えるきらいがある。最低でも50%以上が参加しなければ、実際の地震や水害等に有効とは言えないはずだ。それにはどうするか。50世帯に1台くらいの割合でハンディ・メガホンと必要電池を配置すべきだ。メガホンを通し大声で訓練参加を呼び掛けることだ。地域ごとにある有線放送でも呼びかける。生死を分ける時の防災訓練・・・これを「うるさい」と批判するほうがおかしい。
ハンディ・メガホン(電気で声を拡大)は、実際に災害が発生した際の避難誘導や弱者(老人・病人等)の個別確認作業にも役立つ。混乱時には大声を出しても、普通せいぜい周辺にいる10人くらいにしか正確に伝わらない。メガホンを借りればすぐ2倍、3倍の人にも伝達できる。それだけでなく、戸別の安否確認作業の場合に家の中まで声が届く。気を失っている人も、時にマイクの大声で意識を取り戻すこともある。
ハンディ・メガホンはマイク内臓か別付きのものがあるが、ネットで見る限り3,000~5,000円程度のものも多く、大きな負担にはならない。
3.安否確認の資料があるのか?
地齋に災害がおきれば、各戸の安否確認が必須である。ある団地に住む友人は5階建ての玄関が向き合う10戸の班長で、今回の防災訓練で10戸の安否確認をして、報告をしたとのこと。「まだ団地に移って日がたっていない。どんな人が住んでいるか、年寄か中年か若手かもわからない。こうしたことについて、プライバシー保持の問題があるだろうが、何らかの資料がないと要介護者、老人の宅を優先して尋ねるということもできない」とこぼしていた。
自治会とか管理組合(団地)でアンケート調査をし、世帯人員、世帯主の年齢、要介護者が居るか否かの資料を持っている場合が多い。しかしプライバシー保護の面から、自治会や団地管理組合の事務所金庫に保管され、組織末端の班長さんなどや防災担当者が即使用できるよう、資料を渡していない例がほとんどではないか。ために緊急時の役に立たない。
提案したいのは、末端A班、B班があるとすれば(それぞれ10戸。計20戸ほど)ずつの名前、世帯人員、世帯主年齢、要介護人員くらいに絞った文章を封筒に入れ、毎年各班長さんに渡し、手帳等にメモしてもらい、その後文章は封筒に戻し、会議の場でホチキス止めにして各自の家で保管。他人に見せたり、内容を他所に知らせることを厳禁とする
また各戸で玄関脇に記号で表示しても良いとの了解があれば、1人〇、2人◎、3人△、4人□・・・といった記号で表示する。要介護者が居れば●を書き加える・・・こんな工夫があれば、緊急時の安否確認もスムーズになり、A・B2班で1対にしておけば片方の班長が留守の時でも補いがつく。プライバシーな情報も10戸、20戸の限られた分しかなく、仮に悪意の第3者に渡っても利用価値がない。
4.通電火災への対応が抜けている
阪神・淡路大震災のときは、2次的な火災の被害が膨大だった。そして火災原因の約60%が通電火災・・・電源ブレーイカーを切らずに逃げたため、一度停電していたものが通電すると、電気器具が動きだし倒れた家財道具などに火がつき火災に至るものだ。
写真 電源スイッチを鉄の球の重さで切る(ネットより)
写真 電源スイッチを鉄の球の重さで切る(ネットより)
防災訓練では、「家から離れる際、できれば電源ブレーカーを切る」「これが不可能な場合が多いので、振動で錘(おもり)の球が滑り落ち、自動的にブレイカーが切れる道具を取り付けておく」といった指示がなされるべきである。この道具は「スイッチ断ボール」という商品名で、大きなホームセンターで2,000~3,000円ほどで売られている。取り付けは簡単な部類。電源ブレイカーのつまみにキャップ状のものをかぶせ、これが錘となる鉄球と結ばれ、鉄球は別に簡単な皿の上に置かれ、振動があれば転げ落ち、ブレカーのつまみを引き下げ電流を切る仕組み。高齢者はセッティングを助けてもらうべきだが、踏み台があれば自分で取り付けも可能な品である。
地震で家や火災道具が破壊されるのは当然としても、火災では一切を失い、近所にモ被害が及びやす。ぜひ防災に付け加えるべき事項である。
金子、仏子、野田とうの防災マップについては、別項で紹介。
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