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2020年4月22日水曜日

ふれあいファームセンター(狭山市)は食の知識を売る!

 農産物直売所は沢山あるが、経営主体のJAなどが荷を預かり、売れるだけ売り残れば返品・・・と、安易な経営の直売所が多い。ここに紹介する「ふれあいファームセンター」(埼玉県狭山市入間川1166.電話04-2956-7001)は、月に1回程度はチラシもまき、多数のイベント企画を実施し、かつ商品の特性もPOPで徹底的に知らせる・・・と、販売意欲がすこぶる旺盛な直売所である。16号線に乗り、狭山市のイオンを
越え、さらに2kmほど行ったところを所沢方面に右に曲がり、1kmほどのベルクの先である。仏子からでも車なら20分で行ける。




 消費者の懐に飛び込み、消費者を友として売ってゆく強烈な姿勢を持った直売所であるように思う。売り場面積約300㎡、レジ2台、駐車場33台の中型直売所。営業時間9~17時、休日火曜日である。参加者は近隣の50農家ほどのようだ。商品構成にも特徴があり、自家製の総菜部門も持ち、精肉も一部扱い(冷60㎝×4段)、地方果樹園と提携し果物も大量に売っている。加工食品もスーパーにない特徴あるローカルブランド品が多数揃っている。米穀コーナーも充実。
         

 一番の特徴は下の3枚の写真のようにPOPで、商品の特性、栄養価、料理法などを丁寧に書いていることだ。例えば「春菊」・・・独特の香りで好き嫌いが分かれる。100g食べれば1日の必要摂取量をクリア。カロチンを多く含んでいます。「水菜」・・・ミネラル豊富な優等生野菜。植物祖繊維が多い。カリュムやカルシュウムが多い。ミネラルが多い。ビタミンKやCが多い。 「はるか」…愛媛県西宇和の西村農園直送。見た目だまかされないで。全然酸っぱくないです。皮と果肉の間のワタも食べてね。   こんな具合で、2~3回通えば野菜や果物の深い理解者になれる。














 惣菜は作業場も置き、早朝加工しているのか9時の開店時には、パックされた20種ほどの天ぷらや煮物が並んでいる。店頭には焼き鳥販売店があり、とりもも、とり皮、つくねが1本100円、その他120円で販売されている。

 大きな特徴は月の下旬3日ほどチラシ特売もしていることだ。多くの直売所は「新鮮で合理的な安さ」をモットーに坦々とした販売を続けているだけ。これでは週一チラシ特売を必ず実施するスーパーに少しづつ個客を奪われ、販売は細くなってしまう。魅力あるチラシで、店の魅力を再認識してもらい、固定客を増やす努力が必ず必要なのだ。

 ふれあいファームの場合、チラシは楽しさを盛り込み、かつ安さの演出も強烈である。楽しさの演出は餅つき大会、芋煮会、歳末抽選会などがある。2~3日の限定だが、「50円割引券」といったサービス券もしばしば打ち出す。野菜については特定のものではなく、全品20%引きといったセールが中心で、顧客のお買い得感は高い。果物は仕入れ品が多いため「○○のリンゴ直売会」「△△の販売中」と品目提示の特売が多い。


 青果以外の部門については、強烈である。日を限定し「唐揚げ30%引き」「炭火焼き鳥30%引き」などだ。変わったところでは、刃物砥ぎの「砥ぎ陣」というところも月、水、金、土、日に出店し、スーパーにない色どりを添えている。











2020年4月13日月曜日

入間市にも文化と花の香りを!他市に学ぶ

 入間市民が誇りに思えるものとしては、加治丘陵や入間川の自然、広く美しい茶畑と狭山茶、歴史を詰め込んだ博物館のアリット、珍しいアメリカンスタイルのジョンソンタウン・・・と数々ある。だが、毎日接する街並みの中に、誇りを感じさせるものが散在しているかと言えばそうでもない。つまり駅前とか各種会館、ショッピング・センターなど人が沢山集まる場所に、文化の香りとか、うるおいや華やかさを感じさせる花壇や彫刻、文化財を知らせる表示板などがない。

 例えば駅周辺。武蔵藤沢、稲荷山公園、入間、仏子、元加治・・・市内のどの駅も、駅周辺の整備を十分しないまま進んできたため、広い広場や繁盛商店街もない。武蔵藤沢駅の南口は、珍しく幹線道路と住宅が整備されているが、商業集積は北側に譲り、南側は郊外地型のスーパーが点在するのみである。駅前ロータリーにある3つの花壇用地にも宿根草の類が1種植えてあるだけで、花が皆無である(4月の時点で)。ほかの駅となると駅前に公用地が全くないためか、入間駅のバス乗降のロータリーに彫刻があるくらいである。
 写真① 「人」の彫刻前に集合の親子グループ

 私は週3~4回ほどふじみ野市にある東武東上線の上福岡駅に行く。駅西口には町内会のお祭りをやれるほど広い駅前広場があり、その中央には「人」をかたどった石像がある。土日ともなれば、この彫刻を目印に写真①の通り親子の集団が群れている。駅を基点にどこかにハイキングに出向く様子である。この広場の掃除には地元商工会の有志?と思われる人や、身障者の人までが当たっている。また広場と一体になった形で、バスの発着場があり、そのロータリーの中央は2区画に分かれた広い花壇があり、写真⓶の通り、4月には何百本のチューリブやパンジー、その他多数の花が咲き競っている。
 写真⓶ 駅前ロータリーの花壇

 東武東上線と川越街道が300mほど離れ平行して走っているが、この間を結ぶ幹線道路は整備され、太く自転車の走る路側帯の表示もある。さらにケヤキやイチョウといった大木に育つ街路樹を避け、ハナミズキの並木にしており、しかも紅白の花が交互に咲くよう植えられている。
 写真③ お馬の親子の音符の高さに合わせた石柱

一部だが歩道を広くとり、写真③のような「お馬の親子」のメロディーに合わせた音符の高さの四角い石柱が30ほど建てられている。その足元は多種の花咲く花壇であり、心休まる演出が素晴らしい。しかもこの幹線道路を西に走ると晴れた日には富士山が真正面に見える。空気による屈折の為か、かなり大きく見える。「ふじみ野市」の名の由来を日々感じさせる素晴らしい光景である。また川越街道を走ると中央分離帯には4月であればチューリップが何百本も咲いている:写真④・・・いずれにしても文化と花の香りとが充分に伝わってくるのだ。
写真④ 川越街道の中央分離帯のチューリップ

 入間市の場合、「彩の森入間公園」には多数の広い花壇があり、4月にはチューリップ1万本が一斉に咲く。素晴らしい。しかし県営公園で市の管理ではない。市では「花いっぱい運動」を展開し、ボランティアに球根等を配ってもいるが、半来なら地域に分散した花壇を花で彩るだけでなく、西武鉄道に協力を乞い駅前など人通りの多い場所にも花壇を設けるとか、大型のプランターをいくつか置いて、花を植える管理をし、季節の美しさを演出して欲しいものだ。

 さらに地元出身の彫刻家の作品を置くとか、茶の湯を物語る彫刻を設けるとか、ジョンソンタウンやアリット、加治丘陵、入間川の河原に出る案内看板を立てるとかし、郷土を誇れるような雰囲気づくりが望まれる。ちなみに紹介すると入間市の人口15万人に対し、ふじみ野市は11万人である。