1.通勤は社長だが電車で読書
皆さん承知のことと思うが、丹羽宇一郎さんは伊藤忠商事の社長、会長も務め、中国大使にもなった方。丹羽さんは商社マンの入口でニューヨーク支店に勤務、一介のサラリーマンから数々の試練を経て社長・会長・大使にまで登りつめた人である。その金言集の「仕事と心の流儀」は、企業マンだけでなく、広く働く人の参考になるはず。私は丹羽さんが中国大使になる前、氏が乞われてNPO・日本プロ農業機構(J―PAO)の理事長を兼務していたとき、そこの会員であった。丹羽さんを遠くから見てきたが、その温かさに惚れた人間である。
丹羽さんのすごさは、社長になっても電車通勤をし、庶民感覚を日々吸収。かつ若いころは座れる始発駅を選んで乗り、車中1時間を読書に充ててきた。本の要点をノートに記録し、かつ本の重要ページに印もした、ものすごい読書家である。J-PAOの総会を下町の公民館みたいなところで実施しても、気楽に来てくれる庶民感覚の持ち主でもある。
広範囲な知識と実務経験のもとに書かれたこの本「仕事と心の流儀」(講談社860円)は、金言の連続である。一介の職員、課長ほかの管理職、社長等それぞれの立場での「あるべき生き方」が、愛情あふれる言葉で書かれている。
2.努力すれば人は鍛えられ強くなる
まず最初の金言が、「絶体絶命の状況でも努力を続けることで、人は鍛えられ、強くなる」。氏は伊藤忠入社6年目にアメリカに駐在し、さらに5~6年目頃に大豆の相場取引で買い増しをし、天候異変で豊作になり相場下落・・・大失敗の状況になり首になるかと思われた。だが現地視察や気象情報の収集などとことん勉強し、最終的に儲かる結果をもたらした。つまり干ばつ・高騰予測―雨多く豊作・下落予測―最終収穫期の霜・高騰。このつらい試練で人間的力量も増した。
その他の金言のごく一部を紹介しよう。実際に本書を読めば真意が分かる。
「勝者と敗者を分けるのは、心の強さと平常心」
「失敗のない優等生ほど怖ろしいものはない。小さい失敗をたくさんせよ」
「夢を持ちたいなら、自分の頭で考え、自分で行動しろ」
「能力や適性に大差はないー開花するかどうかは、どれだけ努力したかの違いだけだ」
「部下を育てる3原則は、認める、任せる、要所でほめるだ」
「部下を育てる3原則は、認める、任せる、要所でほめるだ」
「情熱が人を動かし、お金も動かす」
「良心に忠実に生きよ。それが会社を救い、社会を救う」
「誰にだってチャンスはある。でも勉強しないとチャンスは掴めない」
「守りと攻めを同時にやれ」
「守りと攻めを同時にやれ」
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