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2020年12月31日木曜日

あるアフリカ人との交流-サヨナラの日

  

   私はこの5年間ほど、アルバイトで派遣会社の雑務の手伝いをしてきた。主にふじみ野市周辺をエリアとした、外人ばかりの派遣会社である。外人さんからの相談や頼まれごとの多くは、市役所や税務署ほかからの郵便物につい「何が書いてある」とか、「病院に連れっていって」「薬を貰ってきて」「灯油を買ってきて、アパートに置いておいてくれ」といったことだ。さらに「アパートを探してくれ」といったことも多い。

  ここで紹介するのは、アパート探しを手伝ったアフリカ人(もちろん黒人)のヨルさんとの4年間の交流記録である。いままで月家賃3万円以上だったのを、負担を軽くするため2万4千円の物件を見つけてあげた。1件めの紹介でまとまり、私は保証人ではなく苦情が発生したときの「連絡人」になった。ヨルさんはアフリカでもべナンという小国からきたため、同国の友人が一人もいない。だがら淋しいのか頻繁に電話してくる。ともかく真面目人間。もくもくと稼ぎ、故国に残してきた親や離婚して引き取った1人息子にきちっと仕送りすることを喜びとしていた。 

 このこともあって、アパートを紹介して直後に稼ぎを考えアルバイト先の会社を辞めてしまった。夜の工事現場に移ったのだ。私とすれば勤め先のため役立てれば・・・とアパートの無料斡旋をしたのに、面目まるつぶれである。だがヨルさんが、稼ぎのよい(夜)の仕事に移るのは、ゴロ合わせからすれば自然のなりゆき・・・と思うことにした.

 我が社であれば、時給は男なら1,000円(女900円)が相場だ。夜間の工事現場だと8時間で10,000円・・・時給換算で1,250円。このため、月給は22~25万円にもなる。あるアフリカ系が中心のアパートをたずねたとき、ゴミ集積場にビールの空き缶が山と積んであった。夜ごと、軽い飲み会で異国生活のウサ晴らしをしているのだろう。ヨルさんはこの時間に働き、故国への仕送りを増やすのに邁進した。4年後の今、「おかげで国に4部屋ある家が建ちました」と自慢げに語った。 

 いずれにしろ、アフリカ人でわが社に来る人の半分はピーピーで、「社長、お金を3~5万円も前貸してもらえませんか」という例が多い。先日も社長は新入アフリカ人に「アパート契約のため」と10万円貸した。ヨルさんはイスラム教の敬けんな信者のためか真面目である。最初、くら寿司に連れっていた時も、スマホでイスラム教徒が食べてはいけない料理のリストをいちいち調べているのだ。発酵食品はアルコール分を含み、本来がごはっと。となれば醤油や酢もダメになる。だからヨルさんは、何を食べたか覚えてないが、2皿ほど食べただけで店を出たように思う。

 写真:島田家住宅前のヨルさん

 休みの日には、しばしば電話をしてくるのだが、私は車で1時間も離れたところに住み、簡単には会ってあげられない。だが何かしてあげねばと、1回は三芳町の「いも街道」と、ここにある旧農家の「島田家住宅」屋敷跡や町の郷土歴史館、1回は川越の中心市街地、1回は我が地元の入間川河原やジョンソンタウン・・・を案内した。ペナンやコンゴーなど西アフリカ諸国はフランス植民地だったところで、フランス語をしゃべれるしオシャレである。クリスマス・パーティーのときにはみんなダンディな服装で来る。ヨルさんも外に連れ出すときは、濃いい茶のソフト帽子、白のとっくりセーター、茶のジャケット、薄茶のズボンとカラー・コーディネートした格好で現れる。そして観光スポットを背景にハイ、ポーズと型を決め、私が写真を撮る。これをラインで故郷に送ることが楽しみなのだ。 

 フランス語はもちろん、英語も全くダメな私である。せっかくの観光スポットを見せても、何も説明できない。目で見て日本の一断面を知ってもらうしかない。もどかしい限りである。最初困ったのは、お金の支払だ。向こうは、私に負担させまいと充分にお金を持ってきているのだが、どのタイミングで出せば良いかわからない。だから初回は私が少額だが全額おごるはめになった。

 外国人にとって日本的マナーの習得は難儀である。川越に行ったときは、自分で乗ってきた中古自転車を上福岡駅前に乗り捨て、私の車で出かけた。返ってくると新品に近い自転車がない。放棄自転車として回収されてしまったのだ。幸い私がいて、「これは回収されて、盗難ではないと」と直ぐ判断、交番に聞いて2kmも離れた南古谷の回収車置き場に車で取りに行き、事なきをえた。ヨルさんは別として、携帯を持っているのに、遅刻や欠勤の電話もしない、辞めるとなると電話にも出ないで、給与だけは貰いに来る・・・という例も少なくない。 

 ヨルさんは自己管理がよくできていた。「来週の日曜は休みだから遊べないか」と必ず1週間前には電話してきたし、約束の時間もピタリと守ってくれた。近ければもっともっと日本を知ってもらうよう引き回したのだが、5回に1回も希望をかなえてあげられなかった。

 本日(令和2年12月30日)は、どうも別れの日になりそうだ。喫茶店にはいる前に、車の中で「これ、あなたと奥さんのジャンパーです」と2着入った買い物袋をくれた。 喫茶店の席につき、彼は在留証明書を取り出した。その住所は大阪府堺市となっていた。私の息子が結婚と同時に住んだところだ。結婚話は3回ほど前に会ったときにすでに聞いていたが、1回ペナンに帰って3ケ月程過ごし、再度日本に帰ったらすぐ堺の彼女のところに住むそうである。彼女はもちろん日本人。しかも英語の先生とかで、今日もラブラブの2人が写った写真を見せてくれた。ハッピーエンドな別れとなり嬉しいかぎりである。しかし、コロナ禍のため計画通りの帰国、再入国ができないかもしれない。場合により、本当のグッドバイは先になるかもしれないのだ。

2020年12月30日水曜日

ビバホーム飯能内の100均一べーカリー

  

   みなさんは新光の先にあるホームセンターのビバホーム(飯能市芦刈場字中原446)を知っていますか。カインズより一回り大きく、フードコートもある。このフードコートの端にあるのが「ブーランシェベーク」で、「すべて手作り。100種のパンの店」が売りである。売り場は28平方メートル(3.5×2間の7坪)ほどで、これとは別に製造場があり、すこぶるコンパクトで、コの字を一回りすれば、買い物完了。

 







写真 右は人気のカレーパンと
     ウイナースペシャル
   下 アンパン2種とウイナー
     スペシャル






と言ってもサンドイッチなど、どうしても100円を超える品もごく一部ある。最大の人気はカレーパンやウインナーを巻いたウイナースペシャルのようでレジ前の1等地に置かれている。粒あんや漉し餡のアンパンももちろん100円。すぐ外には飲食部のテーブルもあるから、即座にたべることもでき、すこぶるコンビニエンスである。

 

2020年12月1日火曜日

コロナ自殺者急増はすでにコロナ死者数を超す!

  コロナの被害は恐ろしい。コロナによる病死もさることながら、経済的影響で自殺者が今後ますます増える傾向にあるからだ。

 厚生労働者の自殺者統計結果の令和1年と2年を比較したものが表1と表2である。令和2年については10月までしか統計はないが、7~10月の増加傾向を直線で推定し、おおよその数値を推定しておいた。 

 自殺者は平成21年に年34,427人とピークを経験し、その後3年ほど横ばいに推移したあと、順次低下傾向をとり、令和1年には表1のとうり19,959人まで下がり、令和2年も6月までは減少をたどった。いずれにしろ、自殺は減少傾向にあったものが、急に令和2年7月から増加に転じたのだから、増加分は総て新型コロナがなんらかの原因とみて良い。

 表―1 年自殺者実数の令和1・2年比較

令和1年

令和2年

/1年%

実数差

,678

1,680

100.1

2

1,611

1,450

90.0

-161

1,841

1,748

94.9

-93

1,800

1,495

83.1

-305

1,840

1,575

85.6

-265

1,631

1,561

95.7

-70

1,780

1,840

103.4

60

1,577

1,889

119.8

312

1,645

1,828

111.1

183

10

1,510

2,153

142.6

643

11

1,574

 

推定

708

12

1,472

 

推定

862

合計

19,959

17,219

 

 

 

表―2 自殺者の男女比―令和2

男子

女子

男子%

女子%

1,185

495

70.5

29.5

1,025

425

70.7

29.3

1,242

506

71.1

28.9

1,055

440

70.6

29.4

1,082

493

68.7

31.3

1,052

509

67.4

32.6

1,181

659

64.2

35.8

1,229

660

65.1

34.9

1,188

640

65.0

35.0

10

1,302

851

60.5

39.5

11

 

 

 

 

12

 

 

 

 

合計

11,541

5,678

67.0

33.0

  コロナによる経営や家計の破壊は、医療関係者はもちろん三蜜対策を通じ、飲食業、イベント業、観光業、輸送業・・・と広範囲にわたり、景気の落ち込みを通じ失業者を生み、結局のところ全業種に及ぶ。自殺者は1~6月はまだ減少傾向にあるものが、7月以降増加に転じている。2月にコロナが発生し、一律1世帯10万円の給付金や、事業所への休業補償金、コロナ融資などで持ちこたえたものの、7月以降は経営や家庭の崩壊が明白になり、自殺者の急増になったと見る。

 11月や12月は7~10月の傾向値の推定だが、令和2年7~12月の自殺者の前年対比の増加は2,768人ほどになる。これは11月29日現在のコロナ死者の2,109人の1.31倍である。だがこの計算は間違いである。1~6月で、自殺者は892人減っており、7~12月にも本来なら892人が減っていたところが、推定2,768人が増えたのであれば、両者をプラスした3,660人がコロナによる自殺者の増加という見方が正しい。コロナで精神的・経済的に力尽き命を絶った人が、コロナ死者の1.7倍になろうとしている。ことは深刻でコロナ抑制策と経済対策の両立が必須なのである。

なお自殺者の性別について見ると、令和1年には男女比が69.8%:30.2%だったものが、コロナの影響が出始めた令和2年7~10月では63.7%:36.3%となり、女子の比率が6%アップしており、母子家庭のパート雇用など経済的に厳しい女性の立場が、男性より早く自殺に追い込まれていると言えそうだ。