妻を介護中で、私も食が細く、コメは朝2合も焚けばすんでしまい、買い物の中心では無く、「なくなったので買おう」と馴染のスーパーのコーナーへ。8月のことだが、スーパーの棚に普通米は皆無。やむなく1kgのもち米の袋を買い、すこし水を減らして粘りを減らすことにし1ケ月以上しのいだ。10月中旬に同じスーパーの棚は80%だったり100%だったりで、コメ不足が完全解消していなかかった。全国の世帯に2ケ月にもわったって不足をおこした状況を、「騒動」と言って言いすぎだろうか?
もち米の朝~夕食を食べるなどは、過去に一回も経験がない。①令和5年がやや不作だった、②インバウンドで外国人が米を沢山たべた、③東海大地震の予測が出て買いだめに走る地方があった、④令和も猛暑で不作が懸念された・・・と様々な要因がある。
ここで登場してきたのが「政府・備蓄米」の放出問題だ。備蓄米という字はネット上では多数でてくる。生産者、農協、卸売り業者こぞって、ここぞとばかり「家庭内の備蓄にうちの米を」と宣伝するからだ。
問題のあるのは「政府備蓄米」だ。1993年に起きた「平成の米騒動」(記録的な冷夏により米の供給が不足した)が起き、政府は1995年に凶作時の米不足が起きないように、常時100万トンほどを目標にした備蓄を開始。この数字は10年に1度の凶作や不作が2年続いても耐えられる数字である。毎年20万トンほど買い入れはじめた。そして保管期間の5年を過ぎたものは、飲食用の米の流通に影響が出ないよう、「飼料米」や学校給食用などに放出する。 なお備蓄米は、多収穫でコストのやすくあがる飼料米だが、多収のため味が少し落ちる程度と言われる。
今回、この政府備蓄米はまったく活用されず、坂本哲夫農林水産大臣は、「今年の作況悪くない。新米出回る9月中には米不足は解消する」として8月27日に。卸売業者に「小売業に充分米が渡るよう」にと要請したにとどまるのだ。飲食用の米の流通は自然の需給関係に任せ、政府が関与すべきでない・・・との考えもあったようだが、問題は政府の備蓄米制度が極端にお役所しごとに成り下がっていることだ。備蓄米の放出については、「食料・農業・農村政策審議会食糧部会」において、放出の必要性に関し、作柄、在庫量、市場の状況、消費動向、価格及び物価動向等について総合的な観点から議論を行い、これを踏まえて、農林水産大臣が備蓄米の放出等を決定する」となっており、臨機応変に対応する仕組みになっていない。
今後も不作だけでなく地震、津波、大規模洪水など全国的、地方的な急激なコメの過不足は起きる。緊急時には地方的にも放出が短期に可能にする法律に換えるべきである。そうすれば、「緊急会議が開かれる」というだけでパニックは事前に収まりもする。
令和の米騒動については、令和7年3月下旬にネットに掲載された以下の記事が、最も現状を表したものと思います。
農林水産省は、コメの価格高騰の要因としていた流通上のいわゆる「消えたコメ」について、調査結果を明らかにしました。
農水省はコメの流通に関する調査を行った結果、今年1月末の時点で、生産者や卸売業者、新規に参入した事業者などに前の年と比べて19万トン多く、在庫が分散しているとの見方を示しました。
農水省はコメの価格高騰の要因の一つに一部の生産者や業者による「売り渋り」など流通の滞りがあるとして、その実態の調査を1月末から2月下旬まで行っていました。
調査では、大規模な業者に加えて、小規模な業者や生産者に対象を広げて在庫状況を調べていました。
その結果、生産者段階で9万トン、卸売業者の段階で3万トン、小売りや中食・外食業者の段階で7万トン、前年より多く保管されていると推測しています。
江藤農水相は、「生産者、卸売業者、小売りや中食、外食の事業者が先々の心配をして、お米を確保しようという動きをして、それぞれ少しずつ先回りして在庫を積み上げていった結果ではないかと推測される」と話しました。
また、流通のルートについて、今までは生産者との取引は大部分をJAなど大規模な集荷業者がになってきましたが、このルートでの出荷量が前の年よりおよそ31万トン減った一方で、生産者の直接販売や新たな業者との取引が前年よりおよそ44万トン増えていることがわかったということです。
農水省は、今回の調査を通して、備蓄米の放出を受けてもなお、これからのコメの流通について不安を感じている関係者が多いことも確認されたとしています。今後もこの不安感が払拭されていないと大臣が判断した場合には、追加の備蓄米の放出を「ちゅうちょなく」行う姿勢を強調しました。
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