なぜ北斜面で咲くのか?
入間川土手のサクラは23日に開花した(別途掲載)。カタクリはサクラより開花が1週間ほど早いようだが、条件にも影響され決めつけられない。
仏子駅を降り、北口に出て線路沿いの道を入間市駅ほうこうに戻ること約20分、国道299の下をこぐり、やがて踏み切に出る。これを渡り100mほどのところに、市の案内人がいるはず。ここから約300m先が牛沢のカタクリ自生地である。加治丘陵の東はずれといった場所で、丘陵の北斜面である。3月下旬から4月上旬までが開花期。雑木林が新緑に覆われる頃には、種子も熟し葉も枯れて地上から姿を消すとのこと。
写真① 小高い丘の中腹以下に群生
市が借り受けきれいに管理された6,600平方メートルの雑木林のうち、手前側の2,700平方メートルがカタクリの自生地。丘に這いのぼるようにカタクリが生え、3分咲きの可憐な花がちりばめられていた。紫の花弁は下向きだが、満開のころには上向きになる。
くれぐれも「掘って持ち返る」という気をおこさないことだ。根が深く、かつ他所に植替えても生育環境が自生地とまったく異なるので絶対育たない。理由は以下の通りだ。
写真② 淡い紫の花-春のはかない命の名もあり
カタクリは本来、日本海側の多雪の山地を本拠地にしていたものが、約2万年前の氷河期に東京あたりまで南下。ところが1万年前に氷河期が終わり、生き残るために選んだのが①低地でも冷涼な「北向きの傾斜面」だった。だから飯能ほかの自生地も総て森林の北向き斜面である。さらに②春先になると葉を落とし、日が当たる雑木林の中、③沖積錐の地形あるいは段丘崖の下部、④分布地の上に沢があり、ここから水が供給され夏場も気化熱の形で地下の温度が低い・・・といった理由である。(NPO法人地域自然ネットワーク理事長・小泉武栄氏の文章より)
写真③ 群生地手前にある「ほたるの里」も自然を再現!
カタクリの自生地の手前にはホタルの里がある・・・これも自然石や花に囲まれた小川を再現しており、箱庭のような美しさを感じる。
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