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2021年9月28日火曜日

アリット寄りの「大の園芸」は苗もの・鉢物豊富

 

 仏子地区で花苗を買おうとすれば、ホームセンターのカインズ、ビバホーム、スーパーのヤオコー当たりになるはず。だが、もう一つ花卉農家が経営する「大の園芸」というのが、金子の工業団地の南側、博物館のアリットのすぐ北側にある。花、花苗、野菜苗の品揃えではホームセンターに匹敵する。正式な住所は入間市狭山台2―8-8 電話04-2934-6276。営業時間は9:30~17:00.休日は水曜だが、7月は水・日曜。車も5台ぐらいまで停まれそうである。 

 南北方向に道路に沿い大きなハウス2棟(推定446㎡、594㎡)、小さなハウス2棟(推定各106㎡)が立つ。大きなハウスの1つには、レジが置かれていて、ガーデニングの苗や寄せ植えされたものが数百鉢も置かれている。実に品揃えは豊富。経営主自らレジで接客しているので、いろいろ花の種類ごとのアドバイスも受けられそうである。 













写真(上)寄せ植えの鉢が数百も  (下)仕入れ品もあり品揃え豊富な花苗ハウス

もう1棟の奥のハウスは、北側半分で自家製の花苗や野菜苗の生産が行われ、南半分で、作られた苗の販売がされている。確かスイカの苗だけで8品種が置かれていたのにびっくり。 

このほか小規模ハウス2棟では、仕入れ品も含めた花苗が多種販売されている。いづれにしても市場仕入れもしているので、寄せ植えだけでなく野菜苗も花苗も種類が豊富である。ただし肥料、農薬、園芸資材、植木苗といったものは扱ってないので、留意しておくべきだ。


パンジーとビオラ苗の品揃えは地域一番(令和4年10月下旬)

仏子から近い2つのホームセンター・・・・ともにパンジとビオラ苗は、売る時期を越したと見るのかもう100苗も置いていない状況。ところが「大の園芸」は違う。中規模2棟のハウスはパンジーで一杯、大規模1棟のハウスはビオラで一杯(ともに他の花苗はゼロ)。色の種類も豊富で、近似しているのに一つの色が微妙に異なるものもある。ビオラだけで10色はあるのではないか。選定に迷ってしまうほどである(写真下)



2021年9月22日水曜日

畑の際のコスモス乱舞が見事


昨年(令和2年)の秋には、西武公民館前の入間川土手のコスモスを紹介しました。今年(令和3年)は、車で走っていて見つけた多色なコスモスとキバナコスモスのミニ群生地です。場所を得たのか、咲いている密度がどちらも極めて高く、群舞の美しさがすばらしい。


 









 





 

写真①②:所沢市下富の多色コスモス

多色と言っても、濃いい赤紫、赤、ピンク、白の4色に過ぎないが、場所は所沢の下富といった場所のはず。家の小さな庭と畑の境界のところに垣根のようにL字型に密生し、低い位置から高い位置まで花がくまなく咲いている。コスモスは、15cmの高さでも咲き始めるもの。けれども下の方の花は早く枯れ、草丈の頂上部のみに花が集中しがちである。ところが、ここはもともと畑で肥えていたのだろうか・・・下から上まで万遍なく花が咲き、コスモス乱舞の美しさが抜群である。

写真③;狭山市狭山台の交差点際のキバナコスモス 

ここから125号線を北上し狭山市の狭山台2丁目交差点というのがある。交差点近くの歩道内の花壇用地のコスモスは「キバナ」だけだが、そのボリュームがすごい。道路側から見ると高層団地を隠してしまうほどだ。キバナコスモスは私からすれば憎まれ子だが、ここまで咲くとその迫力に拍手を送りたくなる。

珍しく今も残るコスモス畑ー三芳町北永井。昔、ここに蕎麦屋があった。周囲はソバ畑で、ある大農家の自家製粉による直売ソバ店。食べに入った人は帰りにコスモスの花のいくつか摘んで持ち帰ることができたように記憶している。

                      同じ畑が5月にはチューリップ畑に変身
 

 早咲きコスモスの栽培は失敗だった(令和4年9)

 マイ団地の花壇に、早咲きコスモスの種を買って、5月上旬に蒔いて間引きもせず育ち放題にした。6月には一部花も咲き、夏場に咲き乱れると踏んでいたが、コスモス乱舞の美しい姿を一度も見ることなく9月末を迎えてしまった。赤、ピンク、白の3色が咲くはずなのだが、4ケ所に蒔いて3色が揃い咲きすることが1ケ所もなかった。まず種そのものがきちっと1定割合で3色を含んでいないように思えた。期待を裏切らないよう種子業者は注意して欲しいものだ。
 
 後は当方の問題だとおもうが、間引きをすると同時に、苗が大きくなった段階で「深く植え直す」必要がありそうだ。本数が多いと成長の良いものと悪いものができ、花が一斉に咲かないのだ。またコスモスは背丈が1.5~2mにもなり、浅い耕土に張った根では、風に耐えられず寝てしまう。耕土を20cmは堀り、腐葉土などもたっぷり投入し、根本は最低10cmくらいの深植えする必要がある。さらに支柱の用意もして、枝の倒れを防ぐことも必要になるのでは。

友人の畑で育ったコスモスをいただいた(令和4年10月9日)

 写真の背景に見えるのはヒロ・ヤマガタの作品(昔100作は印刷が収集)


2021年9月14日火曜日

川越市のレンタルサイクルは成功ー入間市政③

 

 入間市NORISE UP宣言の23項では「自転車を活用したまちづくり」を歌い、条約宣言の2項でも「自転車利用街づくり条例」の制定を考えている。その主たる内容の柱は、レンタルサイクル(貸し自転車)である。 

















自転車シェアリングとか、サイクルシェアとか、呼び方はさまざまだが、要は貸し出された自転車に乗り、仕事を片付けたり、観光地巡りをしたりすることだ。その大義名分は、①自動車によるCO2排出を抑える、②路上の車による混雑や事故の削減、③健康・体力の増進、④共同利用による自転車維持費の削減. ⑤買い替えなどでいらなくなった場合の放棄問題・・・などから多目的な成果が期待されている。入間市も真剣に考えても不思議ではない。 

貸し出したり、返却を確認したり、乗り捨て自転車の回収に労力がかかり、採算に乗りにくい・・・と考えられたのは過去のこと。いま、川越市のレンタルサイクル事業を見ると、ITを駆使したシステムで、どの段階も無人・・・人手いらずのお助けマン的な存在なのだ。 

 川越市に行き、「大きな拠点ステーションには人もいて話が聞ける」と思い探したが、該当物件は見当たらない。「あれですよ」と指をさされた先にあるのは自転車の係留装置と、電動アシストの付いた自転車だけ。いま川越市の公共施設(公民館、駅、公園、神社、寺等も含む)の41ケ所にステーションがあり、各5~28台、計430台の電動自転車が配置されている。この他民間施設も協力しているので、ステーションやレンタル自転車数は大幅に上回る。 

 電動アシスト自転車は価額が高いが、体力のない人でも楽に乗れる憧れの品。これに安い値段で乗れ、ステーションがあればどこでも返却できる、料金はスマホにより一発で住む。電動の園電機の補充は、返却時に充電用コードを自転車の電池部分に差し込んでおけば充電され、充電済の自転車を選べば即座に乗れる。 

 利用料金は1日最大1,000円で、借りて40分以内に返せば200円。これを超えると30分ごとに200円。観光地めぐりなどは、返してはまた借りるでは高くつき、1日借りるほうが明らかに得である。なお料金の支払い法については複数あり、①クレジットカード決済、②携帯キャリア決済、③YahooJAPANウオレット、④プリぺイド式カード(現金)、⑤PayPay・・・である。 

  詳しい問い合わせは:川越市都市計画部交通政策課交通政策担当 049-224-5519(直通)  

 ところで、入間市にこのレンタルサイクル制度を導入したらどうなるか。川越は埼玉一の観光地といってよく、蔵通りや菓子横丁だけでなく、周囲に沢山の寺や神社も存在する。1万石の城下町で、それだけ多くの観光資源が散在している。それだけでなくさいたま市、川口市に次ぐ埼玉3番目の都市。事業所も結構多い。しかも市街と周辺はフラットに結ばれていて。自転車は利用しやすい。 

 入間の場合、①まず観光地が少ない。②加治丘陵や狭山丘陵があり、地形的に坂が多い。電動アッシストであれば坂も難なく上れるが、カーブ等で交通事故にあう可能性が高い。自転車レーンを明確にする必要がある。③民間で協力してくれる自転車屋は極端に少ない。観光地の掘り起こしをするとともに、札所巡りのように、訪ね先に番号がつき、安全な場所にスタンプが置かれ、これがたまれば市の方で粗品・・・と言った、観光地育成の対策とレンタルサイクル事業を合体して行く必要がある。

  

2021年9月9日木曜日

落ち葉農業の三富新田史跡保存に学ぶー三芳町(埼玉)!

 

写真①:旧・島田屋住宅の前にある三富の落ち葉農業の説明パネル

1.落葉による自然循環型農業

 埼玉県の所沢市と三芳町にまたがる地区に、三富(サントメ)と呼ばれる有名な地区がある。下富、中富は所沢市、上富は三芳町に属する。なぜ有名かは農業関係者の一部はよく知っている。落葉や雑草を利用し堆肥を多投し、広い区画の荒地を肥沃な農地に換え、自然循環型有機農法を成功させた江戸時代の開拓地だ。その成果は、チリにも技術移転されたほどで、海外にも知られている。

                                             

写真⓶③ 後を支える

武蔵野の雑木林
   







 


写真④:雑木林の際から住宅のあるケヤキ並木を見る…かすんで見える















写真⑤:埼玉県指定旧跡・三富開拓地地割遺跡

   今回問題にしたいのは、上富の属する三芳町は人口3.7万人で、入間市の14.5万人、所沢市の33.8万人に比してすこぶる小さいにもかかわらず、史跡保存に多大な努力をし、同時に地元産品のサツマイモなどのPRにも力を入れ、農業振興にも成功しているからだ。 

 この地区は、もともと関東ローム層のやせた荒地であった。周囲の農民の入会地で、屋根をふく萱を刈ったり、堆肥のため落ち葉をかいたり、雑草を刈ったり、薪炭用の雑木を得たりしていたが、資源の取り合いで紛争が絶えなかった。元禄年(1694年)に川越藩主となった柳沢吉保は、元禄9年5月にこの荒地の検地をし、そして縦横の太い道路をつけ、超長くて広い区画の地割をした。上富(三芳町)、中富、下富(共に所沢市)の3村を誕生させた。 

2.区画の長辺675m-1区画5ha

長辺は675m、短辺は72mで、立地により長・短辺を調整したが、全体面積は約5ha(実際は4.86ha)と一定。675mと言えば、普通に歩いて8.4分かかる。長辺の片側にはケヤキなどを配した屋敷、片側には落葉や薪炭用のコナラなどの雑木林。写真⓶は、はずれの雑木林の下に立って、住宅のあるケヤキの木立を撮影したものだが、かすんではっきりとは見えない。

図①:上富地区91戸の地割図 

かりに屋敷用地に0.5ha、雑木林に1haを当てたにしても、なお3.haが農地になる。戦後、まだ農地の集中が進まない昭和35年の1農家平均の耕地は0.77haである。やせ地とはいえ3.5haはこの4.5倍。落葉農業で土地の肥沃化を進め、後の発展につながった。関東ローム層の緩やかな台地のため、河川がなく導水も考えたがうまく行かず、三富全体で22mの深さの井戸を11ケ所に掘り共同利用もした。 

地割が終わると上富91,中富40、下富49,計180世帯が近隣から入植した。やせ地のためサツマイモの栽培が主力で、他はソバなど限られたものだったようだが、落葉堆肥を繰り返すことで年々肥沃になり、今現在はサツマイモ、ホウレンソウ、コマツナ、ダイコン、カブ、スイカ、メロン、ユズ・・・と豊富な作物が採れ、耕地規模の広さもあって、豊かな農村地帯となった。屋敷の広さや建物の立派さを見ても、このことは一目瞭然である。

写真⑥:56号線沿いに「いも街道」の表示板 

ある農家を訪ねたことがある。4人ほどでサツマイモの選別をしていたが「12品種ほど栽培している」とのこと。多様化したニーズに沿い、多品種栽培が進んでいるのにびっくりした。かなり前にこの地にきたとき、南北に県道56号線が走るが、北は『多福寺前」、南は「下組」の交差点の間の約1kmほどの間に、秋~冬にかけ「冨のいも」「川越いも」と書かれたノボリが多数立つ。私が「イモ街道という名をつけたらいいですね」と言ったら、「すでにいも街道と名付けられていますよ」と言われ、恥をかいたものだ。たしかに良く見ると56号線沿いに、黒い板に白い字で「いも街道」と書かれた表示板が数か所に付けられていた。サツマイモ農家を振興するための町のテコ入れの一つだと思う。

3.古民家保存で落葉農業教育の拠点

さて、市の史跡保存の努力は並々ならぬものがある。1kmのゾーンの北はずれには、写真⓶③のとおり開発名主「島田家」の門と両袖の壁が保存され、合わせて1尺近い幅の石の壁、重厚な瓦屋根の建物も見ることができる。印象的なのは、門の前に建てられた島田家を記す碑の側面に「郷土の文化財を大切にしましょう 三芳町教育委員会 三芳町文化財保護審議委員会」と彫られていたことだ。 

300mほど南下すると、この島田家が「寺子屋」にも使っていた茅葺の古民家(写真④⑤)が移築されている。平成8年3月に復元工事は完了したようだ。庭の外側には5台分の駐車場や、男女別のトイレもあり、開館時間は9~16時。休館日は月曜及び祭日、12月28日~1月5日まで。入場料は無料。


 







写真⑦:旧・島田家を移築し、落葉農業学習の拠点に


写真⑧:
毎日焚かれる囲炉裏の火






写真⑨:液体、個体、紙など様々な物入

写真⑩ 春先には庭にサツマイモの苗床も







写真⑪ 裏手には囲炉裏に使う薪がどっさり積まれている

古民家は間口20.9m×奥行8.2m=面積171.0㎡(約51.8坪)。市に雇用された高齢の女性3人が交代で管理に当たり、毎日囲炉裏で火が焚かれ、掃除をしたり、見学者にいろいろと説明もしている。前に来たときは庭にサツマイモの苗床があった。また軒下に縦に裂いたダイコンを干していたこともある。永年の煙のせいか、床、柱、壁すべてが黒光り、やはり黒光りした棚には昔油や醤油等を入れた壺や収穫物他を運ぶ竹籠などが並ぶ。ほうき草で作った箒などの展示物もある。巻頭の写真もこの古民家の前に立っており、子供さんを初めとした人への「落葉農法」の学習拠点となっているように思う。実際に度々いろいろな研究集会がここで行われている。 

ここからやや南下した道路の反対側に、「埼玉県指定旧跡 三富開拓地割遺跡」という碑もある。同じものは旧・島田家の庭にもあり、特定のポイントに建てられているのでなく、「この地域全体が三富開拓ですよ」と言った意味合いのようだ。 

三芳町のすごさは、「旧・池上家の住宅」という別の古民家も保存していることだ。こちらは三芳町竹間沢877にある三芳町立歴史民俗資料館の敷地にあ る。いも街道の南はずれには、イモ農家が始めたIZAEMONという立派なピザレストランがあるが、他にも複数の食事どころがある。これらで一息ついて、最後は上記の民俗資料館を訪ねるのが最高の三芳町の旅と言える。ナビで行くなら三芳町上富1542の多福寺を目指すとよい。この寺は開拓民の拠り所として建てた菩提樹。ここから東に500mほどのところが、56号線の『多福寺前』である。      

写真⑫⑬ 多福寺の紅葉




なお、「三芳町川越いも振興会」のHPを検索すると、いも街道沿いの29軒に及ぶいも販売農家の電話番号も出ている。


令和3年11月14日(日曜日)に

三富地域の平地林散策と「さといも」収穫体験」を開催します。

詳しくはさんとめねっとのホームページからご覧ください。

https://www.santome.jp/765

 

令和3年11月20日(土)~21日(日)小江戸蔵里にて

第15回さんとめの木をいかす展を開催します。

※小江戸蔵里HP https://www.machikawa.co.jp/

三富で育った木を使ったワークショップを多数ご用意しています。

三富材を使ったクラフト品の展示販売も行っています。

詳しくはさんとめねっとのホームページからご覧ください。

https://www.santome.jp/741

    

令和4年2月2日(水)13:30~15:30

「三富地域の平地林をナラ枯れから守るために」と題した

講演会を予定しております。

※例年開催される「農」と里山シンポジウムに該当するものです。

講演会はコロナ対策としてZOOMにて開催します。

※講演後、内容をYouTubeで視聴する方法もあります。

 

詳しくはさんとめねっとのホームページからご覧ください。

https://www.santome.jp/825 

※郵送希望の方でも、メールアドレスがある方にはイベント情報

をメールで送らせていただきました。

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川越農林振興センター

三富農業・地域支援(三富農業)担当

担当部長 藤澤 史宜

tel 049-242-1808 fax049-243-7233

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2021年8月31日火曜日

陶芸を楽しみたい方は飯能精明窯へ-親切に指導!

 

 写真1:窯の看板。電話番号は現在つかわれていません

   入間川にかかる中橋を越えまっすぐ北上する。新光の住宅地や299号を越えると347号との交差点に出る。そのまままっすぐ飯能ゴルフクラブの中を走る一方通行路を突っ切ると畑地帯。なおまっすぐ走り、突き当たりのカーブを北西に曲がると、すぐに「飯能精明窯」の写真の看板が見える。347号の交差点からちょうど1キロほどの距離だ。昔、この地区は精明村と呼ばれたようで、精明窯と呼ぶようだ。10台分くらいの駐車場もある。習いに通うとなると、車が必須のようだ。正式な住所は飯能市平松231-3。

 写真2:ガス窯ー四ツの区画に分け、数段にも重ねて焼ける



写真3:ロクロが3台。
   コロナ禍避けるため
  真中を除いて作業

 
  外見は普通の民家のように見えるが、窯利用者(会員制)の世話人兼会計担当の小國さんに中を見せてもらった。入口横に約5坪ほどの電気窯のある部屋がある。ここには釉薬の入ったポリ容器が所狭しと通路に並んでいる。制作にあたる作業場は約10坪と広く、ロクロ3台や作業台が並び、壁面の棚にはかつての先生や生徒さんの作品、色見本となる5センチ角ほどの無数のタイルなどが並んでいる。

 写真4:右側はタイル状の色見本。右側は過去の生徒さんの作品等











写真5・6・7:作品のほんの一部

 


 

 現在の会員さんの作品は、やはり身近に置いて眺めたいため自宅にほとんど持ち帰っているそうだ。作業の合間にくつろげるようハイカラなテーブルと椅子もある。建物前の庭は30坪もある。現在は野菜畑に利用・・・これだけの立派な舞台を用意したのは先代のすでに故人となった先生だそうだ。それぞれの作品は、ガス窯で焼成する。約1,250度ほどの温度で焼く。時間は15~17時間かけじっくり焼くので、よく焼きしまる。

写真8:意見を交換ーくつろげるテーブルや椅子も




写真9:作業場前の広い畑・・・
   世話人の小國さん(中央)は陶
   芸だけでなく花の栽培にも詳し
   い方である。




   現在は男性4人、女性3人の会員さんがいて、サークル的運営で活動している。会費は月6,000円。家賃や粘土、釉薬、色付け材料、その他日用品の実費を含んでいる。あとは陶磁器を窯に入れて焼く量に応じ負担する加算金のみ。会員は自由にやってきて、粘土をこねロクロを回し、互いの持てる技術を出し合い、切磋琢磨して良い作品づくりに励んでいる。アドバイスを求められたときは、小國さんが、主に当たっている。体験学習したい人は4,000円を出せば、2回教わるコースもある。

令和3年11月にアミーゴで開かれた展示会作品



 









 もし陶芸に興味のあれば、ぜひとも世話係の小國さんに連絡くしてみてください。連絡先 080-6700-6900  

2021年8月22日日曜日

 サトイモは160cmもある巨大植物

 


 8月に所沢の堀金地区をドライブすると、あちこちにサトイモ畑が点在する。近づくと、大きな葉嶽でなく、その丈にびっくりする、ちょうど私の背丈に匹敵し150~160cmもある。戦後間なしに家庭で作ったときは70~80cmくらいだったように思うのだが、「プロが作ると違うものだ」と感心。付近には100cm以下のものもあり、品種のせいか?


 サトイモの生産量は埼玉県が全国1位。農家産出額も1位で、埼玉県の主産地は所沢、狭山、入間、日高、川越の各市と三芳町(以上入間地方と言われる)だ。わたしがアルバイトの仕事で日高を除き週4回各市を通過するので、日々サトイモ畑と出会うことになる。サトイモは「高温多湿を好む」とされているが、ちょっと違うように思う。
 

入間地方は平らながら丘陵部をなし、イネ作に向いた川沿いの低地はない。あまり栄養分のない関東ローム層で深く覆われた畑と武蔵野の雑木林が続く。畑をよく見ると錆びない鉄の板で囲み、盛り土をして造成した畑が1/3ほどもあるように思う。とても多湿を感じさせる地域ではない。これがむしろ市場で高く取引される「ホクホク感があり、煮ればヌルリとした美味な入間のサトイモ」にしているように思う。サトイモ自身が大きく差立ち、葉がおおきいこともあって、地上部は乾燥せず、適度の湿り具合になるのではないか。 

 皆さんも知っているだろうが、サトイモは前年収穫し保存しておいた種イモを植える。これに大きな親芋が育ち、凸凹と子イモが発生、時にはさらに孫イモすら発生する。親イモ、子イモ、孫イモのどれがうまくて食べるのか…は品種による差があるようだ。だが、一般には子・孫イモが売られているようで、親イモはやや固いとされる。親・子を混ぜたものを販売する店もあるようなので要注意である。

2021年8月13日金曜日

狭山茶の地元シェアーは低いー入間市政チェック②

 1.狭山茶を含む埼玉茶のシェアー1.%

 41の宣言のなかには、「狭山茶の産業振興・アンテナショップの開設」「狭山茶主産地のまちづくり条例」という茶にまつわるものがある。入間市と茶は密接不可分だが、再度全国における狭山茶(と言っても埼玉県分の)の位置を知る必要がある。2020年における埼玉県の荒茶生産額のシェアーは1.1%で全国10位である。1位静岡36.1%、2位鹿児島34.2%、3位三重7.3%、4位宮崎4.4%、5位京都3.4%、6位福岡2.3%、7位奈良2.1%、8位佐賀1.6%、9位熊本1.6%となる。茶葉ではすでに2020年に鹿児島が1位、静岡は2位と入れ替わっているが、ともかく荒茶で言えば静岡の1/31のシェアーに過ぎない。埼玉県の人口の全国シェアーは5.5%であり、荒茶のシェアーが1.1%ということは、茶が人口に比例して飲まれるとすると、1.1÷5.5=19.0%・・・

   つまり埼玉で飲まれる茶の2割弱しか県内で自給されていないことになる。狭山茶の特徴は、生産(1次)、加工(2次)、販売(3次)を各茶業生産者が1貫してやってきたこと。これを1×2×3=6次産業化と呼び、2011年(平成23年)から農水省は「自ら加工・販売まで手掛ければ、農家の付加価値、所得は高まる」と6次産業化を推奨。狭山茶の場合、各戸が住宅付帯の店舗を作り、商品の見本を展示しながら対面で売る「座売り」方式だ。この座売りの低迷もあり、ほとんどの生産者が各自ホームページを立ち上げ通販もしているのが現状だろう。 

2.スーパーの扱いは極めて少ない

 固定客に直接売るのだから、当然高い付加価値が得られる。半面、大衆商品を扱うスーパーへの供給努力が弱くなり、結果的に狭山茶のシェアーが伸びないことになる。仏子・金子地区のスーパーに例を見ると(麦茶含む。ボトル入り別、紅茶は除く)・・・

Aスーパー:小規模。ゴンドラ幅約180cm。茶アイテム60、うち狭山茶2アイテム。100g730円、780円。

Bスーパー:中規模。ゴンドラ幅約270cm。アイテム72、うち狭山茶17アイテム(非常に多い部類)。

Cスーパー:ディスカウント型大規模。ゴンドラ幅180cm。アイテム60、狭山茶2アイテム。100g495円、798円。 お茶軽視の感あり。

スーパー:中規模。ゴンドラ幅270cm。アイテム106、うち狭山茶6アイテム。

Eスーパー:大規模。ゴンドラ幅270cm。アイテム75,うち狭山茶2アイテム。100g478円、554円。

 Fスーパー:中規模。コンドラ幅300cm。アイテム92、うち狭山茶3アイテム。 他に茶専門店入店。 

写真①中段の4品が狭山茶

以上のように、スーパーにおける茶の扱いはゴンドラ2~3本が普通だが、これがほとんど伊藤園を中心にした大手や中小メーカーの品に占領され、狭山茶は2~17アイテムと少ない。6店の総合計では465アイテム中の狭山茶は32アイテムで、占有率は6.9%にすぎない。筆者がミニ・スーパーの開店指導に当たっていた50年前には、まだ丸山園や富士製茶といったところも元気で、90cmの木製の独自の陳列台を貸出し、伊藤園抜きの売り場も小型店ではあったのだ。時代は大きく変わったものだ。これら茶葉のスペースに匹敵するほど大・中・小のペットボトルのコーナーも別にあり、これまた伊藤園が幅をきかしている。 

3.若い人を配慮の新業態開発も必要

個々の茶業者が座売りやネット直売に励んできたため、「スーパーへの卸し」という面が、空洞化してしまった。ために狭山茶の県内シェアーが20%と低い(スーパーでは6.9%)。狭山茶業振興協力会というものがあり、これが狭山茶のマーケティング機能を担当し、商品開発の例もあるようだが、狭山茶のシェアーを高めるには・・・ 

 一つは品評会似たっ多数出品し、勝って賞を得ることだ。毎年、農林水産省主催の茶の品評会が開かれ、トップの大臣賞のほかに農林水産局長賞、茶業中央会会長賞、連合会会長賞などでは多数の分野の賞が渡させるが、この産地別の2020年の受賞数を見ると、静岡13,京都12,福岡7,佐賀7,鹿児島6,宮崎3,長崎1・・・となっている。埼玉はゼロである。また「狭山茶は深蒸し茶で味が濃いい」「3大銘茶の一つ」とされるが、区分の深蒸し煎茶部門で、静岡県が6つの賞を独占しているのだ。お株をすっかり奪われた姿にあることを反省する必要がある。ためにスーパーに行けば静岡茶、鹿児島の知覧茶がすこぶる目立つ。 

 次には業界団体が完全に1本化し、茶販売機構を持ち、スーパー等へ卸せる仕組みを作ることだ。少ないアイテムでは、受発注の手間がかかり、相手にされない。伊藤園の隆盛はアイテムの豊富さ→受発注の便利さにあると言える。

   JAいるま野農協がスーパーと提携し野菜中心の直売コーナーを設置し、6~10人前後に出荷を担当させている。機構は農協と連携しスーパーとの仲を取り持ってもらう。そして直売コーナーの木製多段台の最上部に地元茶業者の品を5~10品扱ってもらう。販促のためのPOPも準備する。賞味期限も考え、古いものは引き取る。売れた分だけを締め日に合わせ受け取る。販売手数料は普通15~20%で、陳列は生産者側がする。

   機構は、合わせて茶のボトル飲料も開発し、市や公共団体、小中学校などの消費は原則「狭山産」ボトルにしてもらう。瓶詰めを引き受ける6次産業事例も秩父や栃木等にある。

   機構は若者の消費を促すには、抹茶を使った関連商品を伸ばす店を育てる。このための助成、融資などの拡充を県や国に働きかけ、店舗の再構築を助ける。若者が好むものは、抹茶を使ったソフトクリーム、アイス、搔き氷、皮に抹茶を使った今川焼、鯛焼き、抹茶をねりこんだ生ケーキ。ロールケーキ、プリン、ゼリー、大福餅等。これらはお茶より数倍も商品回転率が高く、茶業店を活性化させる。「抹茶ソフトクリーム」「抹茶今川焼」とか夏場は「抹茶搔き氷」ののぼりを立て売り込めばニュー業種の誕生となり、労力も完全燃焼する。 

4.個性としてのこだわりの強調

 緑茶そのもの1世帯の年消費支出金額は、緑茶飲料の年約4,000円を除くと約6,000円である。2017年の間に29%減少している。この原因は、本来お茶はし好品であり、多様な好みを競う場である。にもかかわらず、個別茶園が「価格が高ければ品質は良く、低ければ質が悪い」といった感じの宣伝をし、包装袋にしても自園の「こだわり」が丁寧に印刷されているのは稀で、若い世代の「差別的選択性」への配慮がない。 

たとえば、茶の味は渋み、苦み、旨み、甘みに分けて表現され、TPOに応じ選択が変わってくるはず。したがって「受験勉強や読書のともに苦いお茶」「子供さんに好かれる甘いお茶」「お茶漬けを引き立てる旨い茶」という訴えがあっても良いはず。実際の包装を見ると、消費者に差別性が伝わらない・・・国産茶(輸入品が使われている現状を暴いたことになる:逆効果)、一番茶のみ、自園茶、自製造茶、深蒸し茶、火入れ茶と言った製法上の専門的な表現が実に多い。 

茶園が乱立し、規模が小さく、個性あるものを開発し、宣伝費を掛けある程度のシェアーを得る・・・という仕組みに失敗しているように見える。高齢化の先にあるのは茶園の統合―個性商品の開発-市場の拡大ではないか。例えば「有機栽培」というのもこだわりの一つである。これから求められるのは平均的な茶ではない。ターゲットを明確にした個性商品のはず。 

 と同時に狭山茶全体のシェアー・アップに必要なのは、新聞、テレビ、ネット等にどれだけ話題を提供できるかである。「山椒は小粒でもピリリと辛い」と言った特徴が必要だ。「入間の比留間園の微発酵茶は3gで50,000円。日本一の高いお茶」というのもその一つで、「へー、日本一高値の茶があるなら、ほかの狭山茶の質も高いはず」と比較的に狭山茶の安値のものも買われる可能性が増す。話題の一の矢、二の矢、三の矢が繰り出されるようにする・・・例えば、

   小・中・高校の3段階で、茶農家訪問、茶摘み、製茶工場訪問、手より作業、茶の上な入れ方、茶の湯作法、茶の総合知識の座学・・・これらを20時間ほどかけてやり、

  後に習熟テストをして卒業書を渡す。成績の悪い人は、後日再テスト。こんなことが新聞、テレビで発信することも大いに狭山茶のPRにつながる。

 ②キャンプがはやりである。河川敷では規制が強まっており、茶業農家の広い敷地をキャ      ンプに開放。茶の作法を学んだり、抹茶入のケーキ類ほかを創ったり、抹茶かき氷をたべたり、茶畑や加治丘陵へのハイキングも実施・・・こんなことも新聞・テレビ種になりうる。 

5.アンテナショップは大赤字に

 市では「狭山茶の産業振興のためアンテナショップを開設するとともに、狭山茶の海外輸出を支援し。販路を積極的に拡大します」としている。いま東京都内にアンテナショップは55店あり、うち42店が都道府県、13店が市町村のもの。1,800市町村の数から見れば、市町村のアンテナショップは1%未満の稀有な例で、稀有な例の仲間入りを考える発想が異常すぎる。 

なにせ入間市はお茶くらいしか特産品が見当たらない。この特産品は県内でも20%未満のシェアーか取れていない。だから本来なら県内シェアーをいかにして高めるかが重要課題。ましてお茶は年購買頻度8回ほどと低い商品。これを核にして店舗を設けたら、日本一客足の少ないアンテナショップになること間違いない。魚、肉、果物、酪農製品など生鮮品や日配品(牛乳、卵、豆腐、納豆など)の特産物が沢山あれば、来店頻度も高まるが、お茶は対極にある。ほかの特産品で名の出てくるのはサトイモ、ウド、シイタケ、繊維、織物である。サトイモやウドは頻度が高いと言え、わざわざ都心に出てきて買う品ではない。観光資源となると、これまた茶園、加治丘陵、三井アウトレトモール、ジョンソンタウンくらいで、観光の宣伝効率が上がらない。 

北海道は、県の「どさんこプラザ」が有楽町、池袋、吉祥寺にあり、「北海道フーヂスト」が八重洲や新宿に、「北海道うまいもの館」(市の物産館)が町田、立川、八王子、台場にある。観光で行ってみたいところが山ほどあり、そこで味わえる食品も海産物、酪農製品と豊富・・・旅行の夢を店舗が実現しているからいずれも繁盛している。残念ながらこ入間市にはこれらの条件がない。ましてや、茶の輸出までプロモーションするとなると、外国語に長けた人材も必要で、地代・家賃だけでなく人件費も膨らむ。「輸出などは商社にお願いしてすべきもの」と指摘する声が強い。だが先に述べた通り、県内、県外のシェアーを高める努力が先決である。

そのためにはアンテナショップを選ぶのでなく、楽天やAmazonの成功に見習いネット及び通販の活用を進めるべきである。市でも宣言のなかで「ゲートウエー構想の推進」(通信手段の異なる2者の間を中継し1本化する機器とかソフト)を掲げているが、茶業者がすでに行っているホームページ、ブログ、フェイスブックなどでの情報を一元化し、かつ狭山茶の価値を高める情報を収集し、常時アップしていく・・・こうした宣伝法であれば、地代・家賃は不要で、ITやネットに強い職員1人、茶業界を取材して記事にする職員の2人もいれば相当なことができる。費用はアンテナショップの10分の1もかからないはず。