池と池のコイに癒され、鎌倉幕府の滅亡伝える!
正式名称は「光明山正覚院 円照寺」である。真言宗智山派の寺。武蔵野観音霊場22番札所、武蔵野七福神の唯一の女性・弁財天を祀る寺でもある。武藏7党の丹党(高正寺の項に注釈)の流を継ぐ加治太郎実家は飯能から秩父地方にまたがる地域を支配し、加治氏を名乗る武士集団。実家の弟の家季が元久2年(西暦1205年)に二俣川の戦いで討ち死にしたあと、その子の家茂が父の供養のため、円照上人に開山させたのが円照寺であり、加治氏の菩提寺である。
写真① 美しい池の向うに見えるのが本堂(左)と客殿(右)
西武線の元加治駅から5分ほどの便利な立地であり、付近に住宅も張り付き、このため子供連れで来たり、子供だけで来て遊んでいる姿もよく見かける。というのも庭内の中心に大きな池があり、美しいコイが沢山泳ぎ、公園的な雰囲気だからだ。池の上に鉄線を傘状に張り、水鳥の着水を防ぎ、コイが伸び伸び泳ぎ回り、かつ水辺の植木の管理も充分にされているので、どこから写真を撮っても絵になる。
写真③ 山門と板壁・白壁
山門とその両サイドの板塀、これに続く白壁、さらに山門前の自然石の配置なども実に味わいのあるものだ。
そして池を囲むように不動堂、本堂+客殿、鐘楼、弘法大師堂があり、池の島に弁財天堂がある。北向きの不動堂は屋根のそり返りが美しく、朱塗りの扉が映える。弁財天堂も池に浮かぶ白壁の堂でこれまた映える。
本堂には加治氏の守り本尊である行基作(奈良時代の僧?)の三尊阿弥陀如来像が祀られている。また客殿には有名人の描いた絵馬が多数飾られているようだ。
貴重品の一が、高さ137cm、幅38cm、厚さ5cmの「板碑」である。文化庁の有形文化財になっているが、七言絶句の伝えなども記されているが、問題は碑が建立された元弘三年(西暦1333年)五月二十二日の銘である。この日は鎌倉幕府滅亡の日である。同時に加治家貞が北条氏に味方し、新田義貞軍に敗れた加治氏滅亡の日でもあるのだ。栄枯盛衰を教えてくれる貴重な寺である。
写真④ 不動堂
写真⑤ 弁天堂
写真⑦ 鐘楼
円照寺門前 元加治駅2分 裏手を入間川に下ると「入間川のイギリス海岸」
買物・ATM・トイレ
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ローソンスリーエフ元加治駅南店
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野田52-1
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